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管理会社の工事は高い?相見積もりや中間マージンぶっちゃけトーク

管理会社 工事 高い

たびたび問題になる管理会社の工事におけるバックマージン。

管理会社から工事の提案をされたけど、金額が高いのか妥当なのかわからず困った経験はありませんか?

 

「工事の見積もりが出てきたけど、なんか高い気がする…」

「管理会社が工事のバックマージンを取っているって本当?」

「管理会社を通さず直接見積書を取れば安くなるの?」

 

そこで今回は、

  • そもそも管理会社の工事とは
  • バックマージンは悪なのか
  • 管理会社に相見積もりを依頼しても意味がない
  • 管理会社に工事を任せた方が良い理由

等についてぶっちゃけたいと思います!



そもそも「管理会社の工事」とは

管理会社の工事が高いかどうかの前に、そもそも「管理会社の工事」とはなんなのかについて少しお話ししたいと思います。

 

まず、管理会社は本業の「管理」の他に、一定規模の管理会社になると工事専門の部署を抱えているケースが多くなります(管理会社によって「工事部」「工事事業課」「保全部」「マンション再生事業部」等と呼び方は変わりますが、今回は「工事部」で統一します)。

 

但し、この工事部は建築士施工管理技士等、工事の計画を立てたり、工事の管理・監督をするのが仕事で、実際に施工する職人さんを抱えているわけではありません(中には職人上がりの社員もいますが、直接その社員が施工することはまず無いと思います)。

 

で、本題に戻って「管理会社の工事」とは何かというと、次の3つが該当するかと思います。

①管理会社が元請となる工事

管理会社 工事 高い

管理組合と管理会社とで契約し、工事を請けた管理会社は付き合いのある工事会社(俗にいう下請け)に工事を依頼します。

 

元請工事は工事金額がそのまま「売上」となる(大半は工事会社に支払い、残った差額が管理会社の利益となります)ため積極的に元請工事を提案する管理会社もありますが、中には元請工事を受注しない管理会社もあります

 

元請工事の場合、管理会社としてもリスクがあるため、工事会社の元々の見積金額に10~30%ほど上乗せした管理会社の見積書が出てきます。

②管理会社が紹介した工事会社に発注する工事

管理会社 工事 高い

管理会社から付き合いのある工事会社を管理組合に紹介し、工事の契約は管理組合と工事会社とで結びます。

 

この場合、工事会社の見積書を管理組合に提出する段階で10~30%上乗せ紹介手数料等と呼ばれケースバイケースでもっと安いこともあれば高いこともあります)した見積書を作らせておき、管理組合から工事会社に支払いがあった後、中間マージン(バックマージン)として工事会社から管理会社に上乗せされた分が支払われます。

☆それぞれのお金の流れについて☆

仮に工事金額10万円、中間マージン20%(細かい数学の話は無視して10万円の20%なので2万円と考えてください)とすると、

【①元請工事】

管理組合(10万円支払う)→管理会社(8万円支払う)→工事会社

⇒差額の2万円が管理会社の利益。

 

【②工事会社に直接発注】

管理組合(10万円支払う)→工事会社(2万円支払う)→管理会社

⇒紹介手数料の2万円が管理会社の利益。

 

どちらも管理会社の利益が2万円であることにかわりはありませんが、①の元請工事の場合、「売上」は10万円になります。

この辺は会社の経営判断だと思いますがざっくり説明するとこんな感じです。

黒ひつじくん
黒ひつじくん
管理会社によっては紹介手数料(バックマージン)を取らない会社もありますし、紹介手数料(バックマージン)を工事会社に請求するか否かの判断がフロントさんや管理職に委ねられている会社もあります。

③大規模修繕工事等での設計監理業務

管理会社 工事 高い

↑の2つと少し性質が違いますが、設計監理方式で大規模修繕工事を行う場合、管理組合で設計事務所を探してきて依頼しても良いのですが、管理会社によってはこの設計監理業務を受けてくれる会社もあります。

 

ただしタダでやってくれるわけではなく、管理委託契約書上大規模修繕工事の企画・提案は別契約となっているため、当然ながら大規模修繕工事の設計監理業務は別契約として見積書が出てきます。

 

会社にもよりますが、この設計監理業務については他の設計事務所等と比べて特別高くない(むしろ安い管理会社もある)と思います。

黒ひつじくん
黒ひつじくん
まあ安いのには理由があって、組合から設計監理業務費を貰うだけではなく工事会社からも②で説明した方法で工事会社から紹介手数料(バックマージン)を貰ってるからというのもあったりします。

但しこれはどこの管理会社でもそうだというわけではありませんし、一部の設計事務所にも同じことが言えます

管理会社であれ設計事務所であれ、設計監理業務費が安すぎる場合はバックマージンありきの見積金額である可能性もあることも頭の片隅に置いておきましょう。

管理会社の工事は高い

管理会社 工事 高い

ここまでのお話しをご理解いただけていればわかると思いますが、③の設計監理業務を除き、基本的に管理会社の工事は高いです。

 

大規模修繕工事等の高額工事については後述しますが、100万円以下の少額工事等は管理会社を通さずに地場の業者や職人さんに相見積もりを依頼してもいいと思います。

黒ひつじくん
黒ひつじくん
ただし!

消防設備等、管理会社に設備管理業務(保守点検)を委託しているものに関しては管理会社に任せてしまった方が無難ではあります。

点検している会社と修繕を行う会社が別だと、点検会社(管理会社もしくはその下請け)が意図していた不具合が改善されておらず、修繕工事を行ったのにまた指摘が上がって工事やり直し、という事が起こります。これでは理事会側も管理会社側も面倒です。

また、エレベーター、機械式駐車場、オートドア等は保守契約を締結している会社以外からの相見積もり不可です。

これらの設備は万一事故が起きた時に工事をした会社と保守会社の責任が不明確になってしまうため、他社が保守契約中の場合は相見積もりを依頼しても断られます

工事のバックマージンは本当に悪か

管理会社 工事 高い

管理会社が工事の紹介手数料(バックマージン)を取ることについては否定的な意見がかなり多いと思います。

 

私も全面的に賛成というわけではありませんが、必ずしも反対というわけではありません。

 

というのも、

  • 世の中の殆どのモノの流通には中間流通マージンや「広告料」が乗っており、管理会社へのマージンは広告料の一部だと言われればそれもそうだという気もする(コカ・コーラには中間流通マージンや広告料が乗っているから1本10円で売れ、なんて言う人はいないわけで…)。
  • 管理会社も儲かるから工事を提案するわけで、完全にマージンを排除してしまったら管理会社側から見て業務の優先度が高いとは言えず、ほったらかしになる可能性がある。
  • 管理会社が間に入ることで工事会社が緊張感を持って仕事をしてくれる

このような考え方もできなくは無いからです。

 

この辺りは考え方が分かれるところでしょうから、まあそんな考え方もあるんだな程度に考えていただき、納得が出来なければ管理組合側で工事会社を探すようにしてください!

黒ひつじくん
黒ひつじくん
紹介手数料(バックマージン)についてはこちらの記事でも触れています!

管理会社に工事の相見積もりを取らせても意味がない

管理会社 工事 高い

理事会等でよく管理会社に

「比較して安いとこに発注したいから相見積もり取っといて」

とかいう人がいます。

 

これ、全くの無意味です。

 

例えば、Aという工事会社の見積書を出して、高いからと相見積もりの依頼があった場合、管理会社はどうするか。

 

Bという工事会社に、

「今回Aに工事取らせたいから、悪いんだけど2万円くらい高い相見積もりテキトーに作ってもらっていい?今度おたくにも他の工事案件紹介するからさ~笑」

って電話します。

ソッコーで電話します。

 

だいたいね、たかだか数万円の工事で相見積もり取られて他決されたら工事会社はたまったもんじゃないんですよ。

現地見て見積作成までは工事会社はタダ働きですからね?

 

どうしても相見積もりが取りたければ管理会社に頼まず自分で工事会社を探してきましょう。

黒ひつじくん
黒ひつじくん
いわゆる「相見積信者」が時々いますが、毎回やってると管理会社もアホじゃないので常にいくらか上乗せした見積書を出してきて次の理事会で「こんなに安くなりました!」とかいう茶番劇を始めます。

不毛なのでやめましょう。

管理会社に工事を任せた方が良い理由

元請で利益を乗せている、もしくは中間マージン(バックマージン)を上乗せしているので高いという事実をぶっちゃけた上でですが、管理会社が信用できない、工事部の社員が不親切で信用できないというような特段の事情が無ければ、大規模修繕工事等の高額工事は管理会社に任せた方が良いと思います。

 

私の経験上そう思うのですが、理由をいくつか挙げてみます。

ヤリ逃げができない

管理会社 工事 高い

例えば始めて行くクラブで出会ったなんかよさげな男と、自分と同じ職場やコミュニティに属する男、話が拗れたりトラブったりした時どちらが誠実に対応してくれると思いますか?

 

管理会社の工事って正にこれで、工事後も本業の管理委託契約の更新をしてもらわなければいけないので、工事後に施工不良やトラブルが発生した時に逃げられないんですよ。

 

例えば理事会で連れてきた一見さんの工事会社だと、工事の不備を指摘しても

「いやいやそんなの普通ですから」

「ちょっと今手が回らなくて…」

とまともに取り合って貰えないことが結構あります。

 

これが管理会社が元請だったりするとそうはいきません。

管理組合からの要求をぞんざいに断ったりしたらあっという間にリプレイスされかねないため、多少グレーな部分でも交渉次第で対応してくれたりします。

 

全面的に要求を飲んでくれるかは別として、一見さんの工事会社と直接契約するよりは圧倒的に交渉が有利なのは間違いありません。

黒ひつじくん
黒ひつじくん
とはいえ管理会社に無理難題を押し付けたり、あまりにも理不尽な要求をするのはやめましょう。

工事会社に口利きができる

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こちらは元請工事ではなく、管理会社が紹介した工事会社で工事を行った場合ですが、工事会社から見れば管理会社は今後も仕事をくれるであろう大事な取引先なので、管理会社元請の場合と同じように工事会社も簡単には逃げられません

 

工事の出来は職人さんのセンスや腕前に左右されるので、ちょっと仕上げが汚かったりということは結構あります。

 

そんな時、管理会社から

「ちょっとお客さんが納得してくれなくて、申し訳ないけど少し手直ししてもらえませんか!?」

と頼むと結構やってくれます。

 

日本に暮らしていると「お金を払ったら自分の要望を叶えて貰って当たり前」という感覚に陥りやすいですが、これって実は当たり前ではありません

 

工事会社もピンキリですから、メチャクチャな工事をしてヤったらヤリっ放し職人なんてたくさんいます。

 

工事ってやった後がすごく大事だったりするので、信頼できる工事会社を知っているとか、業界に精通していて交渉に自信があるとかでなければ、管理会社から紹介された工事会社に任せるのも一つの手かと思います。

黒ひつじくん
黒ひつじくん
管理会社に任せれば一定レベルの工事はしてもらえると思いますが、それでも相場より高いケースが多いです。

安心料だと思って任せるか、安い工事会社を自分たちで探すかは管理組合の状況等を踏まえて総合的に判断しましょう。

理事会・総会については他の記事で解説しています!

設計事務所でもマージンを乗せている会社はある

管理会社 工事 高い

「管理会社はマージンを乗せていて工事費が高いから、設計事務所に委託して設計監理方式で大規模修繕工事の工事会社を決める!」

 

一見まともな事を言っているように聞こえますが、この業界はそんなに甘っちょろいもんじゃありません。

 

私もつい最近、マージン絡みの話で某建築士のセンセイに

「キミはこの業界知らなさ過ぎよ」

なんて詰られましたが(笑)

 

いいですか、よく聞いてください。

相手が管理会社であろうが設計事務所であろうが、工事会社は客(管理組合)を紹介してくれたとこにマージンを払います。

 

例え管理会社のフロントさんが断っても工事会社から「払わせてください」といって払ってきますし、なんなら管理会社が紹介したわけではなく、管理組合側で探して直接依頼したとしても、その工事会社が管理会社と取引があれば当たり前のようにマージンを乗せます

 

もっと言うと、設計監理方式と言いながら、見積もりの段階でどこの工事会社に工事を受注させるか決めていることなんてザラです。

 

だって、管理会社が大規模修繕工事の見積もりを公募すると、

「今回の〇〇マンションの工事って、チャンピオン(=受注させる会社)決まってます?」

とか普通に電話掛かってきますから。

管理会社 工事 高い

もしかしたら、「管理組合が比較検討して決めるのに、そんなことできるわけないじゃないか!」と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

 

工事会社を公募する段階で、

  • ISOなんちゃらシリーズを取得していること
  • 資本金〇億円以上
  • 事務所が現場から〇分以内
  • 直近3年の元請工事実績〇件以上
  • 専任の現場監督を常駐させること

こんな条件を設定しておくとあら不思議、候補となる工事会社は簡単に絞り込めます。

 

後はチャンピオン以外には適当に高い見積を作らせるだけ。

 

管理組合側からすれば工事会社の良し悪しなんて判断のしようが無いわけで、特別の理由がなければ金額の高い安いで決めるしかないわけですから。

 

全ての管理会社や設計事務所がそうだとは言いませんが、これが業界の現実です。

黒ひつじくん
黒ひつじくん
予定していた工事会社で受注できないと、途中で逆ギレしてコンサルを降りる設計事務所もあったりします。意味不明…w

大規模修繕工事のコンサル(設計監理)の選び方

管理会社 工事 高い

ちょっと暗黒面に片足を突っ込んでしまいましたが、ここからは前向きな話をしましょう。

 

バックマージンについては、実績のある工事会社さんに工事を依頼しようと思ったらどうしても発生しますので、安心料だと思って割り切ってしまった方がいいと思います(減額交渉くらいにとどめるとか)。

 

何故かというと、バックマージンを排除する努力をするよりも、より管理組合目線(お客様目線)で仕事をしてくれる設計事務所や建築士さん、管理会社の工事部の社員さんを選ぶことに集中した方が、結果として良い工事をしてもらえる確率が上がるからです。

 

というのも、バックマージンのような「業界の仕来たり」が生まれる背景として、建築士さんの中には「俺が工事会社に仕事をくれてやっている」という認識の方がけっこういるんです。

 

で、このような方々は例外なく工事会社にマウンティングし、工事会社や現場監督からの意見には耳を貸そうとしません。

良い工事をすることよりも、自分の力を誇示してプライドを保つことが最優先なわけです。

 

よく観察してみてください。

  • 工事会社の社員を呼び捨てにしたり、常に上から目線で話をする
  • 工事会社の社員に「お前はバカだから」とか「私が助け舟出してあげたのに(私の言う通りにしないからミスした)」とか平気で言う
  • 工事会社の社員が話をするのを遮って、上から被せて自分の話をする

こういう人が来たら他社に切り替えた方が良いと思います。

 

人の話に耳を貸さないということは最新の工法などの知識がアップデートされておらずそもそも能力が低かったり、自分のプライドが最優先なので管理組合(お客様)にさえもマウンティングしまともに要望を聞き入れなかったりするからです。

 

コンサル(設計監理)を依頼する時は、プレゼンテーションの段階で

  • 工事会社に偉そうな態度を取っていないか
  • 管理組合の要望を真摯に聞いてくれるか(全て飲んでもらう必要はなく、要望はきちんと話を聞いた上で説明してくれるか)
  • 質問した内容に対し、素人でもわかりやすいように説明してくれるか(業界用語連発する人はアウト)

といった部分もチェックすることをおすすめします。

黒ひつじくん
黒ひつじくん
「マウンティングセンセイ」は管理会社にも設計事務所にもいます。自分のマンションがマウンティングされないよう注意しましょう。

管理会社の工事は高いまとめ(結論)

今回は外からはなかなか見えない管理会社の工事が高い理由、工事業界の仕来たり、バックマージン等についてお話ししましたが、いかがでしたでしょうか。

 

個人的な意見としては、

  • バックマージンが良いか悪いかは一概には何とも言えない
  • 良いか悪いかは別として、この業界の仕来たりは根強く、完全に排除するのは現実的にはムリ
  • そもそもムリなことに悩むくらいなら、管理組合としては「より良い工事をしてもらう事」に集中するのが得策
  • それでも納得できないならバックマージンを取らない管理会社を探してそこに管理を委託する(最近は深山先生がそのような管理会社を立ち上げていらっしゃいます)

というのが結論ですかね。

 

金額が高いかどうかも大切ですが、何よりも大切なのは「管理組合にとって良い工事をしてもらう」こと。

 

工事を検討する時は、ぜひ参考にしてみてくださいね~☆

 

月1万円からのマンション管理士!