新居に引っ越し、電気・ガス・水道の手続きも完了し、次はネット回線の開通工事をしようと思った時、どうすれば良いか困ったことはありませんか?
「ネット回線を契約しようと思い、お店の人は『使えますよ』と言っていたのに管理会社に問い合わせたら『その会社のインターネットは使えません』と言われた…」
「ネット回線の工事をする時、管理会社に許可を取らないといけないの?」
「管理会社に許可が貰えない場合はインターネットが使えないの?」
お悩みの方も多いと思います。
そこで今回は、
- 管理会社に「そのネット回線は使えません」と言われるのは何故なのか
- ネット回線の工事に許可は必要か
- 許可が貰えない場合にネット環境を整える方法
- 分譲マンションでNURO光の契約を避けるべき理由
についてお話ししたいと思います!
尚、この後お話していきますが多くのマンションではNTTのフレッツ光が導入されており、分譲マンションの工事も慣れているのでスムーズです。
利用料も他社と比べてべらぼうに高いわけではないので、「なんでもいいから面倒なくスムーズにインターネット使いたい!」という私のような方はフレッツ光を申し込んでしまうとラクです
管理会社が「そのネット回線は使えません」と言う理由
家電量販店等でフレッツ光やNURO光の話を聞いて、店員さんや営業の人に尋ねると「使えますよ!」と言われたのに、管理会社にネット回線の工事をしたいと伝えると、
「このマンションは○○社のネット回線しか使えません」
「NURO光の設備は導入されていないので使えません」
などと言われることがよくあります。
お店の人は使えるって言ってたのに、どういうこと?って思ってしまいますよね。
実は、一口にネット回線といっても、マンションで使えるインターネットは大きく分けて「マンションタイプ」と「ファミリータイプ」の2種類あります。
上記のケースの場合、お店の人は「ファミリータイプ」を念頭に置いて話をするのに対し、管理会社は「マンションタイプ」を前提に話をするため、このようなことが起こります。
どういうことか、順を追って説明します。
マンションタイプのネット回線とは
マンションタイプのネット回線とは、予めマンションの共用部分にある「MDF盤」にインターネット事業者(NTTやKDDI等)の回線の引き込みが行われており、ネット回線を利用する居住者が個別に契約して「MDF盤」から住戸までの引き込み工事を行うというもの。
「工事」と言っても大掛かりなものではなく、MDF盤から宅内までつながっている配管の中に線を通すだけです。
MDF盤までの引き込み(=マンションに集合住宅用のネット回線設備を整える事)は、管理組合の総会等で決議した上で行われるので、これが行われていなければ「マンション全体としてはそのネット回線は使えない」ということになります。
管理会社は「共用部分にあるMDF盤にそのネット回線の引き込みが行われているかどうか」で使える・使えないを回答するため、MDF盤にネット回線が引き込まれていなければ(=集合住宅用のネット回線設備が整っていなければ)、
「○○社のネット回線は使えません」
という回答になる訳です。
分譲マンションの場合、フレッツ光だと比較的こういう面倒なやりとりをしなくて済みやすいです。
わずかな金額を下げるために莫大な労力を割いていたら本末転倒ですから、分譲マンションならフレッツ光が無難じゃないかと思います。ご検討してみてはいかがでしょうか↓↓
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ファミリータイプのネット回線とは
では、何故お店の人は「使えますよ!」と言うのかというと、「ファミリータイプ」ならば技術的にはほぼ全ての住宅に引き込みができるから。
この「技術的には」がポイントです。
「ファミリータイプ」とはどんなものかと言うと、MDF盤を介さず近くの電柱から直接宅内に回線を引き込むというもの。
近くの電柱からバルコニー等にあるエアコン用の穴に線を通して宅内に引き込めばいいだけなので、仕組みはとても簡単。
但し。
戸建て住宅と同じことをマンションでやると…
こんな感じになります。(イメージ図)
かなりヤバくないですか??笑
技術的にはファミリータイプでネット回線を引き込むことは可能ですが、これをやると美観上かなり問題があるんですね。
管理組合の許可が下りればできますが、これを認めると↑のイメージ図のような状態になりかねないので、普通は許可が下りません。
なのでマンションタイプが入っていないと、管理会社は
「○○社のネット回線は使えません」
という回答になるわけです。
私が大手のフレッツ光をおすすめする理由の1つがこれで、フレッツ光なら既に共用部工事がされていてマンション内の配管を通してすぐに工事が可能であるケースが多いです。
面倒ごとはイヤ、すぐに快適にインターネットを使いたい!という方はフレッツ光をお勧めします↓↓
管理会社からネット回線の許可は必要か
どうしてもファミリータイプを引き込みたい場合は管理会社に連絡して、理事長(管理組合)の許可を取る必要がありますが普通は許可が下りないので、分譲マンションではファミリータイプの契約はできないと思ってください。
マンションタイプの引き込み工事を行う場合は、MDF盤から宅内まで線を通すだけなので、特に許可を得る必要はありません。
その場合はお金を払って配管工事をするか、無線LANタイプを契約してネット環境を整えることに…
管理会社に確認しておくこと
マンションタイプのネット回線工事に際して許可は必要ありませんが、MDF盤には鍵が掛かっており、その鍵は管理会社か管理員が持っていたり、管理組合の理事長が持っている等、マンションによって異なります。
ネット回線の引き込み工事当日に鍵が無いと工事が出来なくなってしまいますので、事前に管理会社に連絡して誰がMDF盤の鍵を持っているのか、当日の鍵の受け渡し方法はどうするのか確認しておきましょう!
ネット回線工事の許可が下りない場合は
使いたいマンションタイプのネット回線が引き込まれていない場合は、諦めてそのマンションに引き込まれているネット回線を契約するか、UQWiMAX等の無線LANを契約してネット環境を整えるしかありません。
管理会社に、このマンションではどのネット回線が利用できるか確認し、その会社のプランと無線LANのプランを比較して、より自分に合っている方を契約しましょう!
分譲マンションでNURO光の交渉は難しい
「月額使用料1,900円」の謳い文句で一時期話題になったNURO光ですが、個人的な見解を申し上げますと、
関わらない方が良いと思います。笑
もちろん個人的な好みの問題もありますが、現時点でNURO光が導入されていないマンションで利用できるように管理会社や理事会に交渉するのはかなり難しいのではないかと思います。
交渉が難しい、関わらない方が良い、私がそう思う理由をいくつか挙げさせていただきます。
この後詳しく解説しますが、分譲マンションでNURO光を使うのは非常に面倒なことになるのでお勧めしません。
面倒ごとが少なくすぐに使えるフレッツ光等、大手のサービスをおすすめします↓↓
管理会社への交渉がヘタすぎる
先ほどお話ししましたように、マンションでネット回線を導入するには管理組合の総会等で決議が必要なので、分譲マンションで共用部分向けサービスを売ろうと思ったら最低でも管理会社か管理組合(理事会)のどちらかに気に入られないとお話になりません。
で、一部の意識の高いマンションを除き、大半の管理組合はマンション管理に無関心な事がほとんどなので、サービスを導入したければ管理会社(のフロントさん)に気に入られるように交渉して理事会等でプッシュしてもらうしかありません。
コカ・コーラをたくさん売りたいと思ったら、消費者に気に入られる製品を作るだけではダメで、テレビ局等の大手メディアに気に入られてガンガンCMを打たないといけないのと同じことですね。
ところが、NURO光はここがまるでわかっていない。
マンションタイプの「NURO光forマンション」は、同じマンション内で4世帯以上の契約希望者がいなければ導入してもらえず、しかも希望者を集めるのはマンション側でやってくれというスタンスです。
どういうことか簡単に解説します。
①広告等でNURO光を知った居住者の1人が問い合わせ
↓↓
②NURO光の営業が管理会社に「NURO光forマンション」の導入提案
↓↓
③理事会で提案。この時「4世帯以上お申込みが無いと導入できませ~ん」と言い始める。
↓↓
④もう4世帯申し込みあるんじゃないの?と管理組合(理事会)から尋ねられると、「いえ、希望があったのは1世帯なので残り3世帯はそちらで集めてください」という主旨の回答。
↓↓
⑤管理会社・管理組合「めんどくさ・・・」
こんな感じ。
要は、管理会社や管理組合は別にNURO光が使えようが使えなかろうが知ったことではないのに余計な仕事を増やしてんじゃねーよ、4世帯集めてから提案しに来いよ、となるわけです。
で、このような状態で管理組合(理事会)から、
「それをやる(NURO光を導入する)メリットは?」
と聞かれると、またNURO光のサービス内容を語り始める。
…業界研究不足だなぁ、この人話通じないし交渉にならないから帰ってくれよ
という空気が理事会を包みます。笑
で、話を戻しますと、安そうだしNURO光のネット回線を使いたいな~と思った居住者の立場からしても、↑のようなすったもんだでNURO光の営業が理事会から嫌われて出禁食らって、散々待たされた挙句交渉したけどやっぱり導入できませんでした、という事が普通に起こります。
ネット環境が整いさえすれば良いという方も多いでしょうし、それならば最初から他社のネット回線を契約した方が良いのでは、と思うわけです。
一応、NURO光には無線LANタイプの契約もあり、こちらは管理組合の承認は不要ですが、月額利用料は4,743円なので他社と比べて特に安いと言える金額ではないと思います。
NURO光の販売代理店によるトラブルが多発
NURO光に限った話ではありませんが、ネット回線の契約は紹介手数料(マージン)が良いので悪質な代理店がウジャウジャ湧いてきます。
簡単に説明しますと、
・NURO光は回線名(=つまり、商品の名前)
・プロバイダ(=商品を提供している事業者)はso-net(ソネット)
・販売代理店はNURO光の販売(営業)を行う会社。
⇒ざっくり言うと、販売代理店は契約を取っただけ事業者側から紹介手数料(マージン)を貰える仕組み。
そのため、NURO光のような「カネになる営業案件」が出るたびに手を変え品を変え詐欺まがい(というか完全に詐欺)の営業を行う代理店が続出するわけです。
手口としては、電話を掛けてきて
- 「今お使いのNTTフレッツ光はサービスを終了することになり、〇月からNURO光が事業承継することになりました。お手続きに必要な書類をお送りしますので〇日までにご返送ください」
- 「KDDIの〇〇と申します。サービスの提供会社が変更になりまして、インターネット回線は引き続きお使いいただけますが、そのご承諾をいただくための書類をお送りしますのでご記入をお願いいたします」
等と言ってきます。
そして、言われるままに書類を書いて返送すると、NURO光への切り替えがあっさり完了してしまいます。
…完全に詐欺です。
先ほどお話しした通り、詐欺営業を行っているのは悪質な代理店なので、NURO光のサービスを提供しているso-netは悪くない、という意見が多いようですが…
私はそうは思いません。
何故かというと、NURO光に限らず、ソフトバンクがサービスを開始した時もそうでしたが、悪質代理店による詐欺営業の問題は必ず起きるわけですよ。
so-net側もわかった上で代理店方式を選択しているはずです。
要は、so-netも「売れればいいや」というホンネが根底にあるわけですね。
だから「類友」で悪質な販売代理店が寄ってきて、そこに仕事を卸すのですよ。
わかってて代理店に仕事を卸しておいて「代理店には変な勧誘しないように言っときましたから」というのはちょっとおかしいんじゃないかなーと、個人的にはそう思います。
管理会社にネット回線の許可をもらうにはまとめ
今回は管理会社にネット回線の許可をもらう方法や、工事の前に確認するべきこと、流行りのNURO光についてお話ししましたが、いかがでしたでしょうか。
マンションタイプのネット回線を契約して工事を行う場合に管理会社の許可は不要ですが、MDF盤の鍵を誰が持っているのかや、工事当日の受け渡し方法などは事前に確認が必要です。
ただネット環境が整いさえすれば良く、細かいサービス内容にこだわらない方は、最初から無線LANタイプのネット回線を契約してしまうのも一つの手です。
サービスの特徴を調べて、自分に合ったサービスを契約してくださいね~!