管理会社の評判や満足度、規模や実績が気になったことはありませんか?
「マンション管理会社ランキング2019を見たけど、ランキング上位の会社の方が安全なの?」
「2019~2020年の評判ランキングって、何に基づいて順位をつけているの?」
「独立系管理会社って何?探し方ってあるの?」
このような疑問をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
そこで今回は、
- マンション管理会社ランキング2019
- 独立系管理会社の特徴
- 管理会社の探し方
等についてお話ししたいと思います!
マンション管理会社ランキング2019(管理受託戸数)
公益財団法人不動産流通推進センターの2019不動産業統計集(3月期改訂)によると、マンション管理会社の管理受託戸数ランキングは、
- 日本ハウズイング
- 大京アステージ
- 東急コミュニティー
- 三菱地所コミュニティ
- 長谷工コミュニティ
- 大和ライフネクスト
- 三井不動産レジデンシャルサービス
- 合人社計画研究所
- 住友不動産建物サービス
- コミュニティワン
- 日本総合住生活
- 野村不動産パートナーズ
- 穴吹コミュニティ
- グローバルコミュニティ
- あなぶきハウジングサービス
と続いていきます。
集計した時期等によって若干順位の変動はありますが、どこのサイトを見ても管理受託戸数で見ればだいたいこんな感じです。
このランキングとマンション管理会社の評価や評判、満足度は一切関係なく、単純に受託戸数の順位ですので、
- 親会社が大規模マンションを建てている管理会社(三菱地所コミュニティや三井不動産レジデンシャルサービス、住友不動産建物サービス等の財閥系や、長谷工コミュニティや野村不動産パートナーズ等)
- 他社を吸収合併したり事業承継した管理会社(あなぶきハウジングサービス、伊藤忠アーバンコミュニティ、東京建物アメニティサポート等)
はランキング上位に入りやすくなっているため、会社の評判は関係ありません。
マンション管理会社の業務としては、業界全体としてコモディティ化(他社との差別化が難しくなること)してしまっているので、個人的な意見としては管理会社の受託戸数ランキング上位30社くらいまでなら大差はないんじゃないかな…というのが正直なところです。
マンション管理会社(独立系)の特徴
分譲マンションの共用部管理会社は、大京アステージや東急コミュニティー、長谷工コミュニティのように、マンションデベロッパーを親会社に持つ「デベロッパー系」と、日本ハウズイングや合人社計画研究所、コミュニティワン等のようにデベロッパーを親会社に持たない「独立系」に大別されます。
それぞれメリット・デメリットがありますので簡単にまとめます。
飽くまでも一般論であり、全てのケースでそうだというわけではないことはご承知おきください。
まずはデベロッパー系管理会社です。
- マンションの設計や施工の情報が豊富
- 親会社を通じて所有者の属性(勤務先等)が調べられるので滞納者が音信不通になった時等に対応しやすい
- 似た仕様のマンションの管理経験が豊富
- 分譲時から管理しているので竣工図等の書類の紛失リスクが低い
- 建築系の知識に精通した工事部門の社員を確保しやすい
- 管理委託費が高めに設定されており収益が確保できているので、工事等の際の手数料(バックマージン)が低めであることが多い
- 親会社に逆らえないのでアフターサービス等の際にデベロッパーに対して弱腰になる
- 管理委託費は高めに設定されている
続いて独立系管理会社です。
- 管理委託費が安い
- デベロッパーとのしがらみが無いのでアフターサービスの際に組合側に立って対応してもらいやすい
- 色々なデベロッパーが建てたマンションの管理実績がある
- マンションの設計や施工についての情報は竣工図等の図面からしかわからない
- 所有者の属性(勤務先等)の情報が後からだと手に入らない
- 竣工図等の書類の紛失リスクがある(リプレイス時等)
- 工事部門に、知識や経験に疑問符が付く社員がいることがある
- 管理委託費は安いが、その分工事の手数料(バックマージン)が高く設定されており、高額な見積書が出てくることがある
- 大規模修繕工事等の高額工事の受注を前提にしており、工事が受注できないと契約更新を拒否されることがある
いかがでしょうか。
デベロッパー系、独立系、それぞれのマンション管理会社にメリット・デメリットがあるので、一概にどちらが良いとは言えません。
マンション管理会社の探し方
以前からお話ししているとおり、私自身は安易にマンション管理会社を変える(リプレイスする)のはおすすめしませんが、どうしても変えたいというケースも有るかと思います。
その場合は、①国交省の監督処分を受けたマンション管理会社は避ける、②同等規模のマンションの管理経験があるか、という点は事前に調べておいた方がよいでしょう。
タワーマンションや、低層階に商業施設が入っている複合用途型の大規模マンションの場合はテナントとの折衝等もあり管理会社によっては得意・不得意がありますので、ランキングをアテにせず事前にしっかり確認することをお勧めします。
管理会社を変更する際のその他の注意点についてはこちらでお話ししています↓↓
評判や評価、満足度のランキング
満足度や評判を基にした2019年版のランキングもありますが、ぶっちゃけアテになりません。
- おすすめマンション管理会社ランキング2019!
- ○○が得意なマンション管理会社ランキング2019!
- 口コミ評判ランキング2019!
みたいなのがちょいちょいありますが…
ハッキリ言います。
カネ払えば上位に来ますよこんなランキング。
何を根拠にしているかわからない評価や評判、満足度のランキングよりも、目の前のマンション管理会社を冷静に見極めるようにしましょう☆
投資用マンションの管理会社は要注意
先ほどお話ししたデベロッパー系管理会社、独立系管理会社とは分けて考えなければならないのが投資用ワンルームマンションのデベロッパーを親会社に持つ管理会社です。
エフ・ジェー・コミュニティのような大手は別(お仕事で関わりましたがかなりしっかりした管理会社でした)として、
んー。
これもハッキリいいますか…
タチの悪い管理会社が多いんですよね。
①管理委託費が高い
投資用ワンルームマンションの管理会社は賃貸管理もやっているところが多いのですが、その賃貸管理の管理委託費がべらぼうに高いうえに、6ヶ月前に申し出なければ解約できない(=最短でも6ヶ月後じゃないと解約ができない)契約になっている所もありました。
賃貸管理の管理委託費の相場は賃料の5%くらい(家賃10万円のマンションなら月額5,000円くらい、もっと安いこともある)だと思いますが、賃料70,000円程度のワンルームマンションでも月額10,000円に設定されていました。
共用部管理とは直接関係はありませんが、こういったところに管理会社としての体質が表れます。
②管理者管理がデフォルトになっている
通常、マンション管理は区分所有者で構成される管理組合が主体となって行いますが、役員の成り手不足等の背景から、管理会社が管理者(通常の管理組合で言うところの理事長)となることも認められており、このような管理形態は俗に管理者管理と呼ばれます。
管理者管理は管理会社が管理の主体となり、管理組合運営の原則から外れるので私は反対なのですが、100歩譲って管理組合の意向で管理者管理にするならまだ良いでしょう。
ところが、投資用ワンルームマンションの管理会社の中には、分譲時の原始規約で、
「〇〇(デベロッパーの子会社の管理会社)を管理者とする」
と定めている管理会社もあります。
初めて見た時は何の冗談かと思いました。
管理組合発足時からマンション管理会社が管理者ということは、管理者を変更しよう(マンション管理会社から管理組合の運営を取り戻そう)と思ったら、
- 所有者リストは管理会社が持っていて各戸の所有者がどこにいるのかわからないので、1件1件登記簿を取得し、
- 電話番号はわからないので郵便で全体の1/5の区分所有者を集めて総会招集を要求し、
- 管理規約改定が必要なので議決権総数の3/4以上の賛成を集める
という手続きを踏まなければなりませんが、現実的にこんなことはほぼ不可能です。
③区分所有者を恫喝する
悪質さが度を超えていた管理会社があったのでここだけは実名を晒し…たいところですが、一部伏せます。
株式会社グ◦〇〇〇
ここは私の経験上、最悪のマンション管理会社です。笑
昨年の話ですが、知人から「管理者の権限を管理組合に取り戻したいので協力してくれないか」との相談があり、資料を確認するとそのマンションは管理会社の管理者管理になっていました。
そこでマンション管理会社の担当者との交渉に協力したのですが、その担当者がウソのオンパレード。
- 区分所有者の方が理事長に就任したい(管理者管理をやめ、管理組合主体で運営したい)というと、「このマンションは管理者管理なのでできません」という。
- 総会に管理規約改定の議案を上程すればできますよね?と追及すると、「ただ、購入される前に当社が管理者となることを承諾して購入されているかと思いますので」という
- いや、ですから管理規約を改定すればできますよね?と更に追及すると、「それがなかなか難しいんですよ。3/4賛成を集めないといけないので」と言っていることが変わり始める
- いやいや、電話を掛けて委任状・議決権行使書を出してくださいと言えば集まりますよね?と尋ねると「まぁ、区分所有者と議決権の3/4集めなければいけないので難しいんですよ」と意味不明な回答
- このマンションの議決権は持分割合で按分しているんですか?と質問すると「いえ、1住戸1議決権です」との回答(つまり区分所有者の3/4集めれば自動的に議決権も3/4集まるので上記の回答は「難しい」理由にならない)
結局、この担当者と会って話をすると、
「では、管理規約改定の議案を通常総会に議案上程します」
と約束しました。
また、その時に次回の打合せ日程を決めて、その時に議案書内容を確認するので、総会議案書の素案を準備すると約束してくれました。
ところが、約束どおり知人とマンション管理会社を訪問すると、
- 約束していたにも関わらず、事前に連絡もなく「担当者不在なので代わりに対応します」といって取締役のK氏が現れる
- 約束していた総会議案書素案は「まだ作っていない」という
- 管理規約改定の議案上程の話をすると、「そんな約束はしていない」と言い出す
- 取締役のK氏は都合が悪くなると声を荒げ、「あなたとは話しません!」と話を遮り、挙句の果てには立ち上がって「出て行けよ!」と恫喝
- どうしても管理規約を改定したければ1/5の区分所有者の賛同を得て総会招集を要求してくださいと言い出す
- 住所も連絡先もわからないのに1/5の区分所有者をどうやって集めるのか、集めるために名簿を開示してくれるのか尋ねると、「名簿は個人情報なので開示できない」と言うので、じゃあできないじゃないと返すと「何タメ口きいてんだ!」と恫喝
これ、全部事実です。
シャレになりませんよね。笑
それでも何とか全戸の登記簿を取得して区分所有者の1/5を超える賛同を集めて臨時総会招集を要求しましたが、そこで届いたのがこのメールです。
「臨時総会招集請求書(つまり、賛同した1/5の方々の署名入りのリスト)の原本を全て弊社にてお預かりしなければいけなかった」
これも真っ赤なウソ。
念のためマンション管理センターにも確認しましたが「そんな決まりはない」との回答でした。
だいたい、区分所有法の条文は
区分所有法第三十四条
3 区分所有者の五分の一以上で議決権の五分の一以上を有するものは、管理者に対し、会議の目的たる事項を示して、集会の招集を請求することができる。ただし、この定数は、規約で減ずることができる。
としか記述が無いのに、何を根拠に「原本を全て弊社にてお預かりしないといけなかった」と言うのでしょうか。
当然、マンション管理センターもそんな決まりはないと言っていると抗議して拒否しましたが、もし彼らの言う通り賛同者のリストを手渡していたら、どうせ賛同者に電話を掛けて丸め込むつもりだったのでしょう。
最終的には総会を招集したのですが、当日会場に行くと管理会社から驚愕の言葉。
「(議決権の)半数以上に1票足りなかったので総会不成立になります」
予め電話連絡を行い、出席票・委任状・議決権行使書の回収を確実に行うよう念押しをしていたにも関わらず、です。
一週間前までに回収し、未提出者には督促して総会を成立させるよう念押ししていたにも関わらず、です。
どこの世界に自社ブランドの新築マンションの出席票・委任状・議決権行使書を全体の半数も集められない管理会社があるのでしょうか?
こんな仕事をしていて恥ずかしくないのかと、同じ業界に携わる人間として情けないやら悲しいやら…
ここまで酷いマンション管理会社は少ないと思いますが、悪質な管理会社もあるんだなと私も勉強になりました。
マンション管理会社評判ランキング2019~2020まとめ
今回はマンション管理会社のランキング2019年版をもとにお話しをしましたが、いかがでしょうか。
2019年の管理戸数ランキングは前年度から大きく変化はありませんでしたが、ある程度の規模・実績があれば、ランキングの順位よりもそのマンションとの相性が重要になります。
マンション管理会社の評判やランキングだけを鵜呑みにせず、理事会での情報収集や、プレゼン等の際にしっかりヒアリングを行えるような体制作り、管理組合の運営を日頃から心がけていきましょう!