理事会

マンションのリフォームをしたい!申請は必要?

マンション リフォーム 理事会
黒ひつじくん
黒ひつじくん
いや~、今日も元気だビールがうまい!
中村管理士
中村管理士
(何杯飲むんだこのひつじ…)
黒ひつじくん
黒ひつじくん
そうそう、来週からリフォームするから終ったら遊びにきてね!ひつじは料理が好きだから新しいキッチンにリフォームするのだ♪
中村管理士
中村管理士
おー、いいね!それはそうとリフォームの事前申請はしたの?
黒ひつじくん
黒ひつじくん
ふっふっふ、そんなものは理事長権限で…
中村管理士
中村管理士
三枚におろすぞクソひつじ
黒ひつじくん
黒ひつじくん
ひつじは魚じゃないもん…
中村管理士
中村管理士
リフォームする時はトラブルを避けるためにも事前に申請しないとね~

 

マンションでお部屋(専有部分)をリフォームする場合、理事長へ事前申請をしなければいけないことはご存知でしょうか。

 

「リフォームをしようとしたら事前申請が無いからストップするように言われた…」

「リフォームの事前申請で仕様書や工程表を出すよう言われたけど、これって何?」

「エアコン設置のために壁に穴をあけようとしたら、マンションの壁は共用部分だからダメと言われた…」

 

このようなお話をよく聞きます。

 

そこで今回は、

  • リフォームの際は事前申請が必要か
  • 事前申請から着工までの手続き
  • 躯体コンクリートへの穴あけは本当に禁止か

 

についてお話ししたいと思います!

マンションでリフォームを行う時は理事会へ事前申請を

マンション リフォーム 理事会

結論から言うと、分譲マンションでお部屋をリフォームする場合は、原則として理事長(理事会)への事前申請が必要です。

マンション標準管理規約第17条より抜粋

区分所有者は、その専有部分について、修繕、模様替え又は建物に定着する物件の取付け若しくは取替え(以下「修繕等」という。)であって共用部分又は他の専有部分に影響を与えるおそれのあるものを行おうとするときは、あらかじめ、理事長にその旨を申請し、書面による承認を受けなければならない
2 前項の場合において、区分所有者は、設計図、仕様書及び工程表を添付
した申請書を理事長に提出しなければならない。
3 理事長は、第1項の規定による申請について、理事会の決議により、その承認又は不承認を決定しなければならない。
4 第1項の承認があったときは、区分所有者は、承認の範囲内において、専有部分の修繕等に係る共用部分の工事を行うことができる。
5 理事長又はその指定を受けた者は、本条の施行に必要な範囲内において、修繕等の箇所に立ち入り、必要な調査を行うことができる。この場合において、区分所有者は、正当な理由がなければこれを拒否してはならない。
6 第1項の承認を受けた修繕等の工事後に、当該工事により共用部分又は他の専有部分に影響が生じた場合は、当該工事を発注した区分所有者の責任と負担により必要な措置をとらなければならない。
7 区分所有者は、第1項の承認を要しない修繕等のうち、工事業者の立入り、工事の資機材の搬入、工事の騒音、振動、臭気等工事の実施中における共用部分又は他の専有部分への影響について管理組合が事前に把握する必要があるものを行おうとするときは、あらかじめ、理事長にその旨を届け出なければならない。

多くのマンションでは標準管理規約と同じかそれに準ずる規約になっているおり、リフォームをする場合は理事長に事前申請し、理事会決議を得て承認(許可)を受けなければなりません。

 

国交省の平成30年度マンション総合調査では、全体の8割ほどの管理組合でマンション標準管理規約が認知されているようです。

「標準管理規約のことを知らない」は、単棟型が21.6%、団地型が19.1%となってい
る。

引用:平成30年度マンション総合調査結果

 

そのため、冒頭の黒ひつじくんのように理事長が独断でリフォーム工事の承認(許可)をすることはできません。

 

マンション リフォーム 理事会

とは言っても、です。

お部屋のオーナーからすれば1日でも早くリフォームをしたいでしょうし、これが賃貸に出しているお部屋なら尚更早くリフォームを終わらせて次の居住者に賃貸したいはずです。

 

その状況で申請を受けた理事長が、

 

「あー、いまのところ次の理事会の予定は決まってないんですよね」

 

とか

 

「これから理事会の日程調整するので2ヶ月ほど待ってください」

 

というのでは、現実的にはかなり不都合が生じます。

 

そのため、床の貼り替えやクロスの貼り替え等の一般的なリフォーム工事であれば、管理会社と理事長が申請書をチェックして先に承認(許可)してしまい、次の理事会で追認を得る、なんてことはよく行われているのが現実です。

 

個人的には、リフォームに関する標準管理規約の規定は非現実的ではないかと思うので、よくある特定の工事は理事長の判断で承認(許可)できるように規約を改定しておいても良いのではないでしょうか。

 

黒ひつじくん
黒ひつじくん
標準管理規約第17条は実際にはかなり非現実的です。各マンションの事情に合わせて規約改定の検討をオススメします!

リフォームの着工は理事会の許可が下りてから

さて、リフォームをする場合は事前申請するだけでなく、「承認(許可)」を得なければならないのは先ほどお話しした通りです。

 

リフォームをする際の実際の流れを、順を追ってお話ししていきたいと思います!

①リフォーム会社に設計図・仕様書・工程表を作成してもらう

マンション リフォーム 理事会

管理規約上、リフォームの事前申請をする際は、申請書の他に設計図・仕様書・工程表を併せて理事長(理事会)に提出する必要があります。

 

設計図はクロスの貼り替え等の軽微な工事だけなら不要です。

仕様書はどんな工事をするのかがわかるように記載します。

工程表は、何日から何日までどんな工事を行うのか、を記載します。

 

ほとんどの方は聞きなれない言葉でピンと来ないかもしれませんが、リフォーム会社であれば「設計図・申請書・工程表」と言えば伝わりますし、ほとんどの場合リフォーム会社が作成してくれますのでご安心を。

②リフォームの事前申請書類を作成して提出する

マンション リフォーム 理事会

リフォームの事前申請書類はマンションや管理会社によって書式が違いますので、理事長(理事会)か管理会社に問い合わせてみましょう。

 

書き方がわからない場合はリフォーム会社にお願いして代筆してもらってもOKです。

(むしろその方がスムーズです)

 

提出先はマンションによって違っていて、理事長だったり管理会社だったりします。

これも事前申請書類を貰う時に確認しておきましょう!

③理事長(理事会)の承認(許可)をもらう

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これもマンションによって、電話など口頭で承認しているところと、「承認書」が渡されるところがあります。

 

いずれにしても承認を受けてからリフォームを行うようにしてください!

④【重要】上下左右の住戸に挨拶をする

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ご近所への挨拶を軽く考えている方もいらっしゃいますが、ぶっちゃけこれが最も重要だと思います。

 

以前の記事でもお話しした通り、私自身はまったく近所の生活音が気にならないタイプなのですが(上の部屋はいつもドンドンドンドン音がしますし、隣は統合失調症のおばあちゃんが奇声を上げてますし、目の前は病院なのでしょっちゅう救急車がきます)、

 

神経質な人は一度「うるさい」と感じると、些細な音でも気になりだして後々トラブルに繋がりやすくなります。

 

工事を始める前に簡単な手土産(安いお茶菓子やタオル程度でOK)を持っていって

 

「申し訳ありません、数日の間リフォームでお騒がせします…」

 

というようなご挨拶をしてトラブルを防ぐようにしましょう。

 

マンションの騒音トラブルについてはこちらで詳しくお話ししていますのでご参照ください。

マンション 理事会 騒音
マンションの理事会(管理組合)で騒音問題を解決する方法|注意文書は意味がないマンションでの生活で避けて通れないのが騒音トラブル。 夜間の生活音に悩まされたり、反対に心当たりが無いのに騒音だと苦情を受...

床を貼り替える場合は給排水管の交換も検討する

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通常、お部屋の床下には給水管・排水管・給湯管等が通っていますが、これらは床を剥がした時でないと修繕ができません。

 

築浅のマンションであれば必要ありませんが、床を剥がす場合は是非これらの配管の交換も検討してください。

 

特に築30年を超えるようなマンションの場合、給湯管に銅管が使われている可能性があります。

 

現在ではポリブデン管などの新しい素材が使われているのでほとんど漏水することはありませんが、当時は銅管を職人さんが現場でバーナーで熱して曲げて施工していたため、曲がって薄くなった部分からの漏水が発生する危険性が極めて高くなっています。

 

リフォームの前に、他の住戸で漏水が発生していないか等を管理会社に訊いてみて、もし発生しているようなら配管類も同時にリフォームすることをオススメします。

エアコンのスリーブ等でコア抜きをする場合

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最近ではすべてのお部屋にエアコンを設置するのが当たり前になっていますが、20~30年前のマンションだとメインのお部屋(リビング等)にしかエアコン用のスリーブが設置されていない、ということがよくあります。

 

この場合、新しくエアコンを設置するには壁のコンクリートをコア抜き(穴をあけること)して新たにスリーブを付けるしかありません。

 

この時、エアコンスリーブ設置のためのコンクリートのコア抜きを事前申請すると、管理会社や理事長から、

 

「躯体コンクリートは共用部分なので、穴をあけてはダメです」

 

と言われることがあります。

もっともらしく聞こえますが、実はこれ、必ずしも正しいとは言えません。

マンション標準管理規約コメント第17条関係⑩

第5項の立入り、調査に関しては、施工状況を確認する必要があるものについて、工事中の現場で管理組合の理事等(又は組合から依頼を受けた技術者)が立ち会って確認することが考えられる。人手や工期などにより実際に立ち会うことが難しい場合には、抜き打ちで検査することをアナウンスしたり、工事業者に写真等の記録を取らせ報告させたりすることが考えられる。
施工状況を確認する場合、図面の読み方や工事の進め方を知っている外部の専門家の協力が必要になる。確認が必要なものとしては、例えば、次のようなものが考えられる。
・ 全面リフォームを行う工事について、壁、床等をはがして耐力壁を撤去しないか、工事対象を確認する。
躯体コンクリートにスリーブをあける際やアンカーを打ち込む際に、鉄筋を探査してから穴をあけているか、手順を確認する。

つまり、最新のマンション標準管理規約コメントでは「鉄筋を探査すれば躯体コンクリートへの穴あけは可」ということを前提としています。

 

この部分は最近の改正で新たに追加されたため、マンションによっては管理規約等で明確にコンクリートへの穴あけを禁止しているケースもあるかもしれませんが、ただ単に管理会社のフロントさんや理事長が知らないだけ、という可能性もあります。

 

もしどうしても穴あけが必要な場合は、この点について管理会社や理事長(理事会)に確認してみても良いかもしれません。

 

黒ひつじくん
黒ひつじくん
マンション管理の世界では、長らく「共用部分を壊したり穴をあけてはいけない」というのが常識とされてきました。業界経験の長いベテランの方ほど勘違いしてる可能性が高いので、規約や細則で本当に禁止されているか確認しましょう!

マンションのリフォーム、理事会への事前申請まとめ

今回はマンションのリフォーム工事をする際の理事会への事前申請についてお話ししましたが、いかがでしたでしょうか。

 

戸建てとは違い、マンションの場合は「ひとつ屋根の下」にたくさんの人が住んでるため、リフォーム工事を行う場合は理事会への事前申請が必要です。

 

リフォームは理事長の承認があるまで実施できず、その承認は原則として理事会決議が必要になります。

 

リフォームを検討する場合にはできるだけ早めに理事長(理事会)や管理会社に相談するようにしましょう!