最近ニュースでよく見かける「民泊」によるトラブル、自分のマンションがマナーの悪い宿泊客だらけになったら困るなぁ、と思ったり、実際に相談を受けたことはありませんか?
「今まで見かけなかったスーツケースを持った人をよく見るようになった」
「民泊トラブルの対策、相談はどうすればいいの?」
「ヤミ民泊によるトラブルって対策はできるの?」
こういったお悩みをお持ちの方も多いかと思います。
そこで今回は、
- 民泊トラブルの対策
- 民泊の問題点
- ヤミ民泊の相談と対策
についてお話ししていきたいと思います☆
民泊トラブルの相談が年々増加
Airbnb(エアービーアンドビー、通称「エアビー」)の流行で一躍有名になった「民泊」。
国交省が2015年12月22日に行った会見で、石井啓一大臣は記者の質問に対し、
「国土交通省としては、マンション標準管理規約では、【専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。】とされておりますけども、こういった規約のあるマンションで、特区民泊を実施する場合には、管理規約の改正が必要になると考えております。」
と回答しました。
つまり、マンション標準管理規約の通り、専有部分の用途として「専ら住戸」とされていれば、即ち民泊禁止という解釈を示していました。
ところが。
国交省は2017年8月29日にマンション標準管理規約を改正し、2018年2月に発表した「管理組合における民泊対応マニュアル」では、
「旅館業は業だから「専ら住宅」ではできないと解釈する考え方もあるようですが、規約は誰が見てもはっきり「禁止」がわかるように明確に規定されるのがよいと思います。」
なんと。
土壇場で解釈をひっくり返しやがりました。
まあ、色々と「大人の事情」があったのは想像に難くないですが、2018年6月15日の住宅宿泊事業法施行を目前に控え、
「やっぱ管理組合の判断に任せるから、おのおの規約改定してね~♪」
ってぶん投げたわけです。
結論としては、マンションで民泊を禁止するには、「管理規約で民泊を明確に禁止する」ことが必要となりました。
管理規約の改定案については国交省が【民泊関係改正】を発表していますので、まだ民泊対策をしていない場合はトラブル防止のため管理規約を改定するようにしましょう!http://www.mlit.go.jp/common/001202419.pdf
民泊の問題点
公益財団法人マンション管理センターが2018年7月に発表した「民泊対応状況管理組合アンケート調査結果」によると、有効回答105組合中101組合(96.2%)で「民泊は全面的に禁止した」との回答であり、多くのマンション管理組合で禁止されていることがわかります。
民泊が禁止される理由(問題点)としては、
- 利用者のマナー(ゴミ出し、騒音等)が悪い
- 不特定多数の人が出入りするので防犯上の課題がある
- 賃借人が転貸という形で民泊を行うことが多く、トラブルがあった時の取り締まりが困難
といった点が挙げられます。
個人的には、共同生活を営む分譲マンションで民泊事業を行うのは、やはり馴染まないのではないかと思います。
民泊トラブル対策|マンションの課題は「ヤミ民泊」
2018年6月15日の住宅宿泊事業法施行により、住宅宿泊事業法や旅館業法、国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業(特区民泊)での営業許可がない状態で行う民泊は明確に「違法」とされました。
この違法な民泊を「ヤミ民泊」と言うのですが、管理規約の改定等の一通りの対応を完了していても、このヤミ民泊によるトラブルには課題が残ります。
先述のアンケート調査の通り、2018年7月時点では9割以上の分譲マンション管理組合で管理規約が改定され、民泊は禁止となっています。
また、特区民泊を除き、住宅宿泊事業法による民泊は年間宿泊日数は180日までとされましたが、これでは民泊事業を行うメリットが無くなってしまい、民泊事業からの撤退が相次ぎました。
管理規約で禁止されてるし、採算も合わないから撤退しよう、という良識ある事業主ばかりならよかったのですが、
「やっぱり儲かるし、違法だけどバレるまで続けよう」
という事業主がたくさんいます。
このようなヤミ民泊への対策をいくつかご紹介します。
民泊対策① きちんと理事会(管理組合)活動を行う
「類は友を呼ぶ」という言葉がありますが、マンションも同じで、ルーズな管理組合(理事会)は「ルーズなヤミ民泊の事業主」を呼び込みやすくなります。
理事会(管理組合)が規約違反は許さないという毅然とした態度を示すことで、「このマンションでルール違反をしたらまずいな」と思わせることができ、ヤミ民泊によるトラブルを未然に防ぐことに繋がります。
1~2ヶ月に一度は理事会を開催し、ヤミ民泊に付け込まれない雰囲気づくりをしましょう!
民泊対策② マンション内の情報網を形成する
それでもヤミ民泊が行われてしまった場合、トラブル防止のため早期に止めさせたいところですが、理事会(管理組合)役員の生活リズムによっては中々気付けないこともあります。
また、宿泊者がエントランスを通行していても、近隣住戸の方でなければどの部屋の利用者なのかわからないことも多いのが実情です。
そんなとき、日頃から居住者間でコミュニケーションがとれていれば、
「〇〇号室、最近色んな人が出入りしているんだけど…」
と、相談が入ってきやすくなります。
定期的にイベントや交流会を開催するなどして日頃から情報網を形成し、相談が入りやすくしておくと良いと思います。
反対に、住民が挨拶もしないようなマンションは「ヤミ民泊」が野放しになりトラブルが発生しやすいので、要注意です。
民泊対策③ 掲示等で居住者からの情報提供を呼び掛ける
先ほどお話ししました通り、民泊を行っている部屋の近隣住戸でないとなかなか気づけないこともありますので、
「当マンションは民泊禁止です。近くのお部屋で民泊を行っているのではないかと感じた場合は迷わず管理組合(管理会社)までご相談ください」
といった内容の掲示をしておきましょう。
ヤミ民泊が行われた場合に迅速な対応ができるだけでなく、掲示自体がヤミ民泊事業主への抑止力にもなります。
民泊対策④ 管理員さんに協力を求める
管理員さんがいるマンションの場合は、
「スーツケースを持っていたり、いままで見ない人が入館するようなら教えてください」
とお願いしておいても良いと思います。
大規模なメガマンションだと居住者が多くなかなか難しいですが、数十世帯のマンションであれば、予め声を掛けておくと結構気付いて相談してくれる管理員さんもいます。
本業の清掃等に支障が出ない範囲で、わかる範囲で観察をお願いしておくのも一つの手です。
民泊対策⑤ 保健所に相談する
2018年6月15日の住宅宿泊事業法施行以来、保健所に立入検査等の権限が与えられたため、宿泊者への聞き取りや、部屋の所有者に対する警告文投函等の対応が可能です。
民泊を行っていることが疑わしい場合は、すぐに保健所に相談しましょう!
民泊トラブルの相談、課題と対策まとめ
いかがでしたでしょうか。
住宅宿泊事業法施行以来、ほとんどのマンションの理事会(管理組合)で民泊は禁止されましたが、民泊トラブルは今も発生しています。
このようなヤミ民泊によるトラブルの対策をするには、日頃からマンションの理事会を始めとした居住者間のコミュニケーション、相談しやすい雰囲気作りが大切です。
民泊を未然に防げるよう、今回お話しした内容をぜひ活用してみてくださいね~♪