マンションの理事会(管理組合)に意見書を出したのに提案が無視された…そんな経験はありませんか?
「理事会(管理組合)に意見書を出したのに回答がない…」
「困っているから相談したのに音沙汰なし…」
「せっかく理事会(管理組合)に意見書を出したのに提案が通らない…」
困っているから意見書を出したわけですし、理由がわからないと不安になりますよね!
私も理事会側の立場として数多くの意見書を観てきましたが、意見書の提案が通らないのには理由があります。
そこで今回は、
- マンション理事会(管理組合)に意見書を無視される理由
- 意見書の提案が通らない理由
- マンション理事会(管理組合)で提案を通す方法
についてお話ししたいと思います!
理事会(管理組合)に意見書を出したのに無視された
最初にお話ししました通り、マンション理事会(管理組合)に意見書を無視されるのには理由があります。
無視と一口に言っても、完全に取り合ってもらえない本当の「無視」と、検討はしたけど通らなかった(却下された)という場合の2種類がありますので、分けてお話ししたいと思います。
そもそも理事会(管理組合)に意見書が届いていない
理事会(管理組合)に意見書を提出する場合、理事長もしくは管理会社(管理員)に提出することが多いのではないでしょうか。
この際、意見書の提案内容が理事長や管理会社にとって都合が悪いものであった場合、受け取った人が理事会(管理組合)に意見書を提出せず闇に葬ってしまう可能性があります。
例えば、
- ペット飼育禁止のマンションで「隣の住戸でペットを飼育しているので止めさせてほしい」という意見書を理事長に提出したが、理事長もペットを飼育していた
- 管理員の清掃が行き届いていないので指導してほしいという意見書を管理組合のポストに提出したが、管理員が中身を見てそのまま処分した
- 管理会社の見直しを提案する意見書を管理組合のポストに投函したが、管理会社が中身を見てそのまま処分した
などです。
浅はかというか幼稚というか…人間としてどうなんだと言いたくなるところですが、意外とこの手の人間は一定数存在します。
理事会(管理組合)に意見書を提出する際は、意見書の提案内容が議題に上がると都合が悪くなる人を避けて提出するか、複数の人(理事長だけではなく他の理事や管理会社)にも意見書のコピーを渡しておくと、完全に無視されることはなくなるのではないでしょうか。
理事会(管理組合)に意見書は届いたが却下されている
理事会(管理組合)で意見書の提案内容は確認したものの、何らかの理由で却下されている可能性もあります。
却下したのであればその旨の回答をした方が親切かもしれませんが、理事会(管理組合)側としては極端な話、回答するに値しない取るに足らない意見書と判断しているかもしれませんし、単純に連絡を忘れていただけという可能性もあります。
いずれにしても、意見書を提出しても音沙汰無い場合は、意見書を提出した側から理事長や管理会社に「意見書の件、どうなりましたでしょうか?」と訊いてみてはいかがでしょうか。
世の中いろんな人がいるので、まずは事実確認を。
理事会議事録に回答が記載されていることも
理事会(管理組合)の方針や管理会社によっては理事会議事録を作成していなかったり、作成していても各戸に配付していないケースもありますが、多くのマンションでは理事会議事録が各戸に配付されているのではないでしょうか。
理事会議事録が配付されている場合、理事会議事録に意見書の提案に対する検討結果が記載されているかもしれませんので、一度内容に目を通してみましょう。
理事会議事録を読んでも記載が無い、もしくはわからない場合は理事長や管理会社に訊いてみましょう。
意見書を提出しても通らない5つの理由
理事会の議事録を見ると、意見書で提案した内容について議題には上がっているけど何故か却下・否決されている…
そんな時に考えられる理由がいくつかあります。
自分が出した意見書が該当しないかチェックしてみてください!
①意見書に具体的な解決策の提案がない
簡単に言うと、意見書の内容が「〇〇で困っている」、「××は嫌だ」で終わってしまい、「だから△△してほしい」が抜けているケースです。
例えば、「玄関扉を開けると落ち葉が入ってきて困ります」という意見書が提出された場合。
意見書を出した側からすれば、「だからエントランスに植えてある木を伐採してほしい」という意図で意見書を書いていたとしても、意見書を受け取った理事会(管理組合)はそこまでわからないかもしれません。
意見書を読んだ理事会(管理組合)が、
「じゃあ管理員さんに清掃を強化してもらいましょう」
となればまだ良い方で、場合によっては
「ほぉ~。早く春が来るといいですね~」
なんて共感して終わりというギャグのような反応で終わることも本当にあります。笑
意見書を出すときは具体的にどうしてほしいのか、解決策まで書くようにしましょう。
先日どなたかのtweetで見たのですが、例えば食事の時に箸がない場合、
「なんで箸無いの?」とか「箸無いんだけど?」とか言う人いますよね。
そうじゃなくて、「お箸が無いので一膳貰えますか?」の方が角が立ちませんし、「どうしてほしいのか」が明確なので確実に要求が伝わります。
自分の日本語が正確かどうか、誰にでも伝わる文章かどうか、意見書を投函する前にもう一度読み返してみてください。
②過去理事会(管理組合)に同様の提案があったが否決されている
これもよくあるパターンなのですが、過去に同じ提案についてアンケートを取って反対意見が多かったり、総会で否決になっているものについて意見書を出しても、前回の判断を踏襲してそのまま否決になりやすいです。
例えば、
- ペット飼育禁止のマンションでペット飼育を認める事について過去にアンケートを取った結果、ペットアレルギーの方が居住している事がわかっている場合
- 駐車場の外部貸しを提案したが、以前から反対者が複数名いる事がわかっている場合
- 管理規約を改定したいが、前回の総会で反対者が多く、規約改定に必要な全体の3/4以上の賛成を得ることが明らかに不可能な場合
などの場合です。
これらの場合、理事会(管理組合)が「そもそも無理」と判断してそのまま否決になってしまうことがあります。
もし意見書を出す前に「無理な理由」がわかっている場合、上記①同様「具体的な解決策」を意見書に書くようにしましょう。
③提案がマイノリティすぎる
マイノリティ(少数派)は悪いことではありません。
但し、マンションの理事会(管理組合)は多数決の原理で物事が決まりますので、残念ながら少数派の意見は通らないケースが多いことは覚悟しましょう。
以前私が六本木のワンルームマンションを担当していた時、夜のお仕事をされている居住者から
「うるさくて眠れないから工事は夜中にやってもらえませんか」
という意見をいただいたことがあります。
夜のお仕事をされている方がいることは理解しますが、大半の居住者は夜寝ていますよね。
さすがに極端な例かもしれませんが、マイノリティすぎる意見書は通らないと思った方が良いでしょう。
どうしても通したい場合は自分で理事長をやるしかありません。
そこでもある程度テクニックが必要になりますので、お困りの方はご相談ください。
④意見書の提案内容が理不尽すぎる
空いた駐車スペースをコインパーキングの会社に賃貸しているマンションでのことです。
そのコインパーキングの会社に賃貸している駐車スペースについて、
「夜間はコインパーキングの利用者がいないのだから住民に無料で使用させろ」
という意見書を提出した方がいました。
管理組合が賃料をもらって外部に貸している駐車スペースを無料で使わせろというのはあまりにも理不尽ですし、契約上も社会通念上もどう考えても無理です。
自分の意見書の内容が本当に筋が通っているか、冷静に考えてみましょう。
⑤意見書の内容が理事会(管理組合)で扱うべき問題ではない
これも実際にあった話なのですが、
「〇号室の子どもがマンションの中庭で遊んでいて騒がしく、うちの子の受験勉強の妨げになるので止めさせてください」
という意見書が理事会(管理組合)に提出されたことがあります。
中庭のあるファミリーマンションを購入する時点で居住者の子どもが中庭で遊ぶことは容易に想像が付きますし、他にも遊んでいるお子さんはたくさんいます。
おかしいと思い、事情を知っている他の居住者にお話を聴くと、意見書を出した方と中庭で遊んでいる子どもの親御さんは以前から仲が悪いそうで、明らかにその方を狙い撃ちした個人攻撃でした。
このような個人攻撃は理事会(管理組合)の業務範囲外ですので、対応してもらえないのは至極当然です。
アンケートの回答に付けた意見書は無視されやすい
その他、マンションの理事会(管理組合)に提出した意見書が無視されるケースとして、理事会(管理組合)が何らかのアンケートを実施した際、アンケートの回答に意見書を添付した場合が挙げられます。
どういうことか分かりにくいと思いますので順を追って説明します。
そもそも、理事会(管理組合)がアンケートを出す理由を考えてみましょう。
もちろん単純に居住者の意見を聴きたいということもあるでしょうが、多くの場合は「総会対策」です。
マンションの理事会(管理組合)がアンケートを実施する場合、既に理事会(管理組合)の中では意見が固まっていて、「理事会(管理組合)として住民の意見は聞いた」「その上で賛成者が多いから総会に議案上程した」というような既成事実を作るのが真の目的であることがほとんどです。
その場合、アンケートで提示している選択肢以外に「こういう方法が良い」という意見書を付けても、理事会(管理組合)としては本当に意見が欲しいわけではないため、無視される傾向にありますので注意が必要です。
アンケートが配られた時には大勢が決まっていることもあるため、こまめに理事会の議事録をチェックし、意見がある場合には早めに理事会(管理組合)や管理会社に連絡するようにしましょう!
理事会に意見書を出すより立候補した方が早い
ここまで理事会(管理組合)に意見書が無視される理由を挙げてみましたが、「意見書を通す」ことを考えるより、「自ら立候補して理事会役員になってしまう」方が早くて確実です。
「理事会役員に立候補してまで…」
「理事会に出るのはめんどくさい…」
と思われるかもしれませんが、理事会役員の方々はみなさんが「めんどくさい」と思う業務を引き受けてくれています。
自分はめんどくさい事を引き受けないのに、自分の希望は理事会(管理組合)に叶えてほしいというのは虫のよい話でしょう。
また、一度理事会(管理組合)役員に立候補して理事会に参加してみると、今まで「何故理事会(管理組合)はそのような対応(判断)になるのか」わからなかったものが見えてくることもあります。
意見書が通らないことに悩むより、思い切って理事会(管理組合)役員に立候補してみてはいかがでしょうか?
やってみたら意外と楽しいかもしれませんよ。
マンションの理事会(管理組合)に意見書が無視される理由まとめ
今回はマンションの理事会(管理組合)に意見書が無視される理由、意見書が通らない理由についてお話ししましたが、いかがでしたでしょうか。
正直なところ、意見書を通す方法を考えるより、自分が理事会(管理組合)役員に立候補してしまった方が遥かに早いですし、建設的な議論が可能になります。
「無視された」とネガティブにならず、ポジティブに良い機会だと捉えて理事会(管理組合)役員に立候補してみてはいかがでしょうか!
あなたの貴重な意見でより良いマンションにしていきましょう☆