マンションの理事会メンバーに選任されたけれど、どうしても理事会に参加するのが煩わしい…
マンションの理事会メンバーに選任されたのに、毎回欠席続きの人がいる…
こんなお悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「子どもの学校行事や家事に追われて時間がない…」
「マンションの理事会の雰囲気が苦手でどうしても欠席したいけど、ペナルティがありそうで怖い…」
「理事会に出ると変なクレーマーに目を付けられそうだから欠席したい…」
反対に、
「理事会役員に選任されたのに、理由もなく毎回欠席する人がいる…」
「理事会の欠席者が多く人数が集まらない…」
なんとかしたいけど、どうしていいかわからないという方も多いはずです。
私も多くの方からご相談をいただきます。
ですが、少し工夫すれば他の理事会メンバーとの関係性を壊すことなく欠席したり、反対に理事会への出席を促すことも可能です。
そこで今回は、
- マンションの理事会を欠席する方法
- 理事会の出席率を向上させる方法
- 理事会の欠席者に対する罰則(ペナルティ)を科す方法
についてご紹介します!
マンションをより良くするための理事会ですから、無理なく楽しく、みんなで協力して開催できるようにしていきましょう♪
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欠席する場合の罰金(ペナルティ)はある?
総会の決議や理事会の運営細則、マンションの管理規約で「理事会を欠席した者は〇〇円の罰金」等が明確に決められていない限り、罰金(ペナルティ)を科すことはできません。
理事会の運営細則やマンションの管理規約で罰金(ペナルティ)の決まりがあるか、管理会社に聞いてみましょう。
ただし、罰金(ペナルティ)の決まりが無いからと言って理事会に参加しなくてよい、という事にはなりません。
マンション標準管理規約第37条
役員は、法令、規約及び使用細則その他細則(以下「使用細則等」という。)並びに総会及び理事会の決議に従い、組合員のため、誠実にその職務を遂行するものとする。
簡単に言えば、「罰金は無くても、役員に選任された以上は出席する努力をしなきゃダメよ」ということで、ほとんどのマンションの管理規約に書かれているのではないでしょうか。
理事会を欠席するには?
とはいえ、仕事の都合や子どもの学校行事、親の介護など、どうしても欠席しなければならないこともあると思います。
その場合、マンションによって異なりますが、多くの場合は事前に理事会開催のお知らせと共に「出欠票」が配付されると思いますので、「欠席」と記入して管理組合の郵便受け(これもマンションによって異なり、理事長の郵便受けであったり、管理会社の郵便受けというマンションもあります)に提出すればOKです。
どうすれば良いか分からない場合は管理会社に電話等で訊いてみましょう。
その際、出欠票の余白部分に
「息子の運動会があるため欠席させていただきます。申し訳ございません」
など、欠席理由とお詫びの一言を添えておくことをおすすめします。可能であれば一度顔を合わせて直接お話ししておくと尚良いでしょう。
規則の話をしてしまえば欠席理由を申告する義務は無いのですが、他の理事会メンバーからすると何故欠席するのか事情がわからず、関係が拗れる可能性があります。顔を合わせたことがない人同士であれば尚更危険です。
マンションの理事会に限ったことではありませんが、人間の心理として逃げれば逃げるほど相手は追いかけてくるものです。
他の理事会役員や理事長が暴走して態度を硬化させ、
「何としてでも出席させろ!」
「欠席理由を書面で提出させろ!」
となってしまってはお互いに良いことはありません。
(こういう理事長も結構いらっしゃいます)
ちょっとズルい手法かもしれませんが、理事会等の集まりは苦手だなぁ…あんまり参加したくないなぁ…という人ほど丁寧に、理由とお詫びのメッセージを添えて、他の理事会メンバーに「まあ仕方ないよね」と思ってもらえるようにしましょう!(それでも基本は出席しないとダメなので、諸事情によりどうしても出席したくない時にだけ使ってください!)
意見書についてはこちらで詳しくお話ししています!
マンション理事会の出席率を上げる5つの方法
さて、先に欠席の仕方をお話ししましたが、みんながみんな欠席していては理事会が成り立たなくなってしまいます。
そもそも理事会はどうしたらより良いマンションになるかを考える場。できるだけ多くの方が出席した方がいいですよね。
そこで、ここでは理事会の出席率を向上させる方法をご紹介したいと思いますが、その前に大前提の考え方をお話したいと思います。
規則やルール以前の問題として、理事「会」ですから、理事会は人と人とのお付き合いの延長線上にあります。
日常のお付き合いでも、「楽しい」と思えば参加しますし、「ちょっと苦手だな…」と思えば次からは欠席すると思います。
何が言いたいかというと、
「理事会を欠席する人に規則やルールを振りかざしても問題は解決しない」
ということです。
仮に規則等で強制的に出席させたとして、「どうしたらより良いマンションになるかを考える」という本来の目的を達成できるかは疑問です。
時間と手間はかかるかもしれませんが、まずは「理事会って楽しい!」とみんなに思ってもらえる工夫をしましょう!
大前提の考え方をお話ししたところで、具体的な方法をお伝えします☆
方法① 日程を調整する
理事会の日程は、マンションによって「毎月第〇日曜日の10:00から」や、「理事長の都合が付くときに開催する」等の決め方をしていると思います。
先にもお話ししました通り、マンションの理事会は人と人とのお付き合いの延長線上にあります。
毎月第〇日曜日等と決まっていた方が出席しやすい方もいるかと思いますが、今は働き方や生活スタイルも多様化していますので、まずは理事会メンバー全員でどの日だったら集まれるかを話し合ってみてはいかがでしょうか。
②1回の理事会の時間を短くする
理事会が毎回3時間にも4時間にも及び、貴重な休日に長時間拘束されてしまっては「ちょっと行きたくないな…」と思われ、次から欠席してしまうかもしれません。
お話し好きな方は何時間話していても楽しいかもしれませんが、中にはそれが苦痛に感じる方もいらっしゃいます。
私が管理会社のフロントをしている時は、基本的に30分~1時間程度で理事会が終わるようにしていました。
きちんと論点を整理して理事会を開催していれば、これくらいの時間で十分まとまります。
議題が多ければ数日前に理事会資料を配って読んでおいてもらう、理事会当日に意見がまとまらなさそうなら「次回までに意見をまとめておいてください!」といって適当なところで区切るなどの工夫をしてください。
理事会はどんなに長くても2時間以内に終わるようにするのが私のおすすめ。
③役員報酬を設定する
「タダ働きは嫌だけど、お金がもらえるならまあ出席してもいいか」と思っていただく作戦です。
マンション標準管理規約第37条二項
役員は、別に定めるところにより、役員としての活動に応ずる必要経費の支払と報酬を受けることができる。
総会で役員報酬の支払いを決議するか、理事会運営細則があればそこに役員報酬の規定を盛り込んで総会で決議しましょう。
具体的な規定例としては、
「理事会出席1回につき2,000円を、総会終了時に支払う」
「1年の任期終了後、10,000円を支払う」
「月額3,000円を毎月支払う」
といった内容です。
金額や支払時期は、管理費会計の収支状況や理事会の業務の負担の大きさ等マンションの事情を踏まえて決定すれば良いでしょう。
④懇親会を兼ねて開催してしまう
何度も言いますが、「楽しい!」と思ってもらえれば人は集まります。
いつもの集会室や会議室ではなく、理事会メンバーの構成に合わせて会場を変えてみてはいかがでしょうか。
例えば、理事会メンバーに主婦が多いようなら
「近所の〇〇という、ケーキがおいしいカフェで理事会を開催します!ケーキ代とお茶代は管理費から支払いますので、ぜひご参加ください」
という方法もありますし、呑ん兵衛ばかりの理事会であれば
「マンションの裏の和民で理事会を開催します。飲食代1人3,000円までは管理費から支払います!」
という方法もあります。ちなみに和民で理事会を開催しているマンション、これ実話です。
ただし、好き勝手に管理費を使って良いわけではありませんので、事前に総会で趣旨を説明し、「組合運営費」として予算承認を受けておきましょう!
⑤定期的にイベントを開催して関係性を築く
理事会そのものは興味がなくても、「〇階の△△さんが来るなら私も出席しようかな」と思ってもらう作戦です。
季節ごとにお花見・納涼祭・バーベキュー・秋祭り・餅つき大会等、意図的に顔を合わせる機会を作り、理事会以前の段階で関係性を築いておきます。
良いお付き合いができれば、たとえ理事会に興味が無くても誘えば来てくれるかもしれません。
そもそも理事会は「どうしたらより良いマンションになるかを考える」というのが目的ですから、マンションの居住者同士の関係が良くなるのであればその時点で目的は1つ達成です。
それでも罰金やペナルティを設定するなら
罰金やペナルティを設けると理事会に対してネガティブなイメージを持たれてしまいますし、罰金を払えば理事会を欠席してもいいのかという話になりかねないので、個人的には理事会の欠席・不参加に対し罰金やペナルティを設けることはおすすめできません。
他に改善策が無く、放っておくときちんと出席している理事さんたちの不公平感が膨らんでしまう…というときに、ペナルティや罰金ではなく「協力金」という形でルール作りを考えた方が良いと思います。
役員報酬と同じく理事会運営細則があればそこに規定を盛り込んで総会で決議しましょう。
一定の条件下ではありますが、マンション外部の区分所有者に対し、月額2,500円の協力金徴収が認められた判例(最高裁平成22年1月22日判決)がありますのでご参考まで。
出席してもらうことが目的であれば、まずは他の方法を考えた方が良いと思います。
マンション理事会の欠席理由まとめ
今回はマンションの理事会を欠席する方法と、反対にマンションの理事会の出席率を向上させる方法についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
理事会の開催は、マンションをより良くしていくためにとても大切な活動です。
私自身、そんなに人付き合いの得意な方ではありませんが、やってみたら案外楽しいと思うんですよね、理事会。
理事会を有意義なものにできるよう、今回ご紹介した方法をぜひ試してみてください!