理事会

第三者管理方式のデメリットって何?マンション管理士が解説!

第三者管理 デメリット マンション管理士
黒ひつじくん
黒ひつじくん
数年前から大手管理会社が採用し始めた第三者管理方式、あっという間に広まりつつあるね~
なかむー
なかむー
そうね。実は第三者管理方式自体は以前からあって、投資用のワンルームマンションとかだとよく使われていたんだけど、それを実需ファミリー向けの分譲マンションにも採用し始めたって感じなのよね。
黒ひつじくん
黒ひつじくん
管理会社からすれば面倒な理事会対応が無くなるし夢のような話よねぇ…
なかむー
なかむー
というか、組合側も理事会メンドクサイからやりたくないってとこは多いからねw

そして東京都周辺の都市部だとあんまり無いけど地方や郊外だと高齢化が進んだり管理会社が撤退したりで理事会方式を続けたくても立ち行かなくなりつつあるってマンションも多いのよ。

黒ひつじくん
黒ひつじくん
なるほどねぇ。
なかむー
なかむー
地方・郊外のマンションと都市部のマンションでは第三者管理方式が必要な理由ってちょっと違うんだけど、今回は地方・郊外のマンションで何故第三者管理方式の考え方が必要なのか解説しようか!

マンション管理で俄かに話題になっている第三者管理方式、言葉は聞いたことあるし、「管理会社が理事長やるんでしょ?」というイメージはわかるけど、具体的に理事会方式と何が変わるの?という疑問をお持ちの方も多いはず。

 

今回は、

  • 第三者管理方式と理事会方式の違い
  • 何故第三者管理方式が必要なのか
  • 第三者管理方式のメリットとデメリット
  • 第三者管理方式と理事会方式の中間「フロント・実務担当者代行」の提案

について、マンション管理士の視点からお話します。

理事会については↓も併せてお読みください。

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なぜ第三者管理方式が必要なのか

第三者管理 デメリット マンション管理士

第三者管理方式がどのようなものかについては↓の記事でもまとめていますので、まだ知らないよという方はこちらもお読みください。

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一言でいえば、「マンションの区分所有者以外で代表者を立てて管理者(理事長に代わるポジション)を任せる」という方式です。

この管理者は基本的に誰を選任しても良いのですが、今話題になっている第三者管理方式では管理会社を「管理者」のポジションに据えるのが前提になっています。

 

では、どうして今、第三者管理が必要なのでしょうか。

理由はいくつかありますが、代表的なものを挙げると、

  1. 世帯数が多すぎて収拾がつかない
  2. 複合用途型等、設定が複雑すぎて一般人がやるには荷が重い
  3. 組合員の大半が富裕層で、理事会に時間を割きたくない(=第三者に任せてカネで解決したい)
  4. 高齢化・過疎化等で役員のなり手がおらず理事会が成り立たない
  5. 管理会社の撤退等の理由で資料や議事録作成を出来る人がいなくなり、理事会が立ち行かない

などが理由で、このうち①~③は主に都心の大規模・複合用途型マンション④~⑤は主に地方・郊外の小規模マンションで問題になりがち。

①②についていえば、区分所有法ができたのは1962年でその後改定もありましたが、元々昭和の長屋もしくはその延長のような分譲型集合住宅を想定して作られているので現在の大規模・複合用途型(ショッピングセンターが併設されているやつとか)マンションにそのまま当てはめるには運用面で無理が生じていますし、③についていえば本業でタイムチャージ1万円を超えるような高収入な人達からすれば理事会活動で自分たちの時間を割かなくてもお金を払って解決してしまいたいと考えるわけです。

 

また、④⑤に関しては地方・郊外のマンションでは息子・娘も都市部に出て行って組合員の高齢化が深刻だったり、小規模物件やちょっと辺鄙な場所にある(都市部のように駅周辺に管理物件が密集していない)ことが多いため管理会社も採算が合わずエリアから撤退してしまい、人材が枯渇していてどうにもならないという現実があります。

黒ひつじくん
黒ひつじくん
都市部や地方で理由は様々ですが、要するにこれまでの平成型の理事会方式が限界を迎えているわけです。

第三者管理方式のメリット

第三者管理 デメリット マンション管理士

これはもう簡単で、今まで理事会でやっていた(=自分達で時間と労力を割いていた)ことを、お金を払って第三者に任せてしまえるのが最大のメリットです。

管理組合は区分所有者であれば強制加入の団体で本来は全員が当事者なわけですが、その辺の関係性がわかっていなくて何を勘違いしているのか上から目線で偉そうに理事会に説教を垂れたり、協調性がなく文句ばかり言うサルみたいな人達の相手を組合員同士でしなくて良くなるのは大きなメリットでしょう。

黒ひつじくん
黒ひつじくん
あとは、管理組合は法人化していなければ理事長が管理者責任を負いますが、通常は個人より大手管理会社の方が責任能力の面では安心感があります。

また、管理会社側から見ても、理事会対応が必要なくなるので基本的には業務量が削減できることになります。

第三者管理方式のデメリット

第三者管理 デメリット マンション管理士

一方で、第三者管理方式にはデメリットもあります。

一度管理者の権限を手放すと運営権を取り戻すのが非常に困難というのが一番のデメリットだと思います。

話を聞いて良いなと思って第三者管理方式にしてみたら、管理者に据えた管理会社が期待どおりに働いてくれなかった、という事が起きても、後戻りはできません。

第三者管理方式では管理者権限は管理会社が持つことになるため、いくら納得がいかなくても理事会を招集することも、総会を招集することもできなくなるからです。

一応、いわゆる”1/5総会”という手段はありますが、必要な賛同者を集められるかはアナタの信用次第という話になってしまうのでかなりハードルは高くなります。

なかむー
なかむー
むしろ、理事会方式に戻すことを考えるくらいなら最初から第三者管理方式に移行すべきではないと思います。
黒ひつじくん
黒ひつじくん
第三者管理方式にすると組合側で理事長(管理者)を置かないので管理組合は管理者責任を手放せますが、逆に管理会社としては管理者責任を負うためそういう面では責任は重くなります。

伝家の宝刀「組合様が決めることですから」というカードが切れなくなるわけです。

第三者管理方式のメリットを活かす「マンション管理士によるフロント・実務担当者代行」という選択

第三者管理 デメリット マンション管理士

第三者管理方式にデメリットがあるのはわかった、だけど実際問題として理事会による組合運営が立ち行かなくなっているマンションはどうすればいいのよ?と思われた方も多いと思います。

  • 高齢化等で役員の成り手がいない
  • 管理会社がエリアから撤退してしまって実務を出来る人がいない

そんな組合向けに、ひつじアソシエイトという新しいサービスを立ち上げました。

 

先ほどお話しましたように、管理会社の第三者管理のデメリットは管理者権限を手放してしまうため運営権を取り戻すのが困難で、一度手放すと後戻りはできないという点です。

だったら、管理者権限を管理組合側に残したままで組合運営実務だけをプロのマンション管理士に任せれば良いよね、という理事会方式と第三者管理方式の良いとこどりなのがこのサービスです。

  • 理事会、総会の議案書や議事録作成
  • 課題解決に向けた施策の提案
  • 点検や修繕の提案
  • 会計や出納作業の補助、組合員への説明 等々

いわゆる管理会社のフロントさんがやっているような業務を、実務担当者としてマンション管理士が引き受けるわけです。

詳しくはこちらのページで解説していますので、役員の成り手がいない、管理会社が撤退してしまった、管理会社が見つからない、というお悩みをお持ちの方は、是非検討してみてください。

第三者管理方式のデメリットをマンション管理士が解説まとめ

今回は第三者管理方式のメリットとデメリットについてマンション管理士の視点で解説しましたが、いかがでしたでしょうか。

第三者管理方式は組合にとってメリットがある一方、一度第三者管理方式に切り替えて管理者権限を手放してしまうと運営権を取り戻すのが非常に難しいというデメリットもあります。

理事会方式による組合運営に行き詰まりを感じているという方は、是非一度ひつじアソシエイトのフロント・実務担当者代行サービスをご検討ください。