以前の記事で暴走理事長のお話をしましたが、無関心でほったらかしの管理組合だと結構とんでもないことになったりします。
こういったお話をしても、
「私はいいや、めんどうだし」
「いやー、忙しくて…」
「理事長にされた。マジムカつく」
といった方が多数派です。
お気持ちはわかるのですよ。
なんでウチが面倒押し付けられてタダ働きせなアカンねんと。
じゃあなんで私がしきりに「理事会役員やりましょう」と主張するかというと、
ほったらかすとホントにやべーことになるからです。
今回は、みなさんに「理事やろうかな…」と思っていただくべく、ほったらかし組合でホントにあった怖い話をいくつかご紹介したいと思います!
ケース① 板橋区のドケチおばば
板橋区にある小規模なマンションでのお話しです。
そこは全ての住戸が30㎡未満のいわゆる「投資用マンション」なのですが、1人だけ賃貸に出さず自分で住んでいるおばちゃん(通称ドケチおばば)がいました。
ドケチおばば以外の区分所有者は全員外部に居住していたため、このドケチおばばが理事長として実質1人で管理組合の運営をしていました。
ドケチおばばは1円でも月々の支出を安くすることに人生を捧げており、管理会社に減額交渉を重ね、保守点検関係は極限まで減らし、管理員さんの雇用も管理会社に委託せず、組合で直接雇用するという徹底ぶり。
管理会社から「修繕積立金の値上げをした方がいいですよ」とアドバイスされても、
「もう少し安くできるやろ。な?」
管理会社が見かねて修繕工事を提案しても
「そんなもんいらん!お金のムダ!」
…開いた口が塞がりません。笑
他の区分所有者もみんな投資用として所有しているので、月々の支出が減るならこれ幸いと、誰もおばばの組合運営に口を出しません。
そのマンションが30年以上経ってどうなったか。
- 放置されたアロエが無限に増殖して敷地内に広大な「アロエの森」が広がっている
- 白かったはずの駐輪ラックは錆びて真っ茶色になり、駐輪場は錆び汁まみれ
- 階段は爆裂で錆びた鉄筋がむき出しに
- 管球は間引きを超越した「全消し」によりエントランスは常時真っ暗
- エレベーター乗り場上部の照明カバーは劣化してビスケットのようにサクサク割れる
…。
廃墟かよww
てか全消しってなんだよwぷよぷよかよwww
これが初めてこのマンションを見た私の感想です。
ドケチおばばのおかげで、「マンションってちゃんと修繕しないとこうなるんだな」、「修繕積立金って大事だな」いうこと身をもって学ぶことができました。
ケース② ハマの秘密基地
「世間はお前らのお母さんではない!!」という伝説のスピーチがありますが、これはマンションの管理組合にも当てはまります。
横浜市の小高い丘の上にある築40年ほどのマンションでのお話。
分譲時のパンフレットを見ても、登記簿上も1階は「事務所が2戸」のはずなのですが、現地を見ると玄関扉が10箇所以上あります。
更に。
何故か廊下に、
- 「都市ガス」を引いているはずなのに「プロパンガス」のボンベが置かれている
- 洗濯機が2つ並んで置かれている
- 組合のものではない自販機が置かれている
- 明らかに後付けされた電気メーターが取り付けられている
- 明らかに後付けされたメールボックスが取り付けられている
…いやいや、ここ共用部分ですよね?笑
組合もなんでこうなるまでほったらかしとんねん。笑
もはやどこからツッコんで良いかわからないレベルのカオスっぷりですが、横浜市やら色々なところに問い合わせて確認をしていくと、次のようなことがわかりました。
- とある業者が元々の所有者から「事務所2戸」を賃借している
- その業者が共用部分もろとも違法シェアハウスに魔改造
- そのシェアハウスを生活保護受給者向けに安く転貸
なるほどなるほど。
もう一度言いましょう。
組合もおかしいよ。
そしてもう1つ。
管理会社なにしとんねん。笑
このマンションの驚くべきポイントは、現に居住する区分所有者から理事会役員を選任していて、しかも自主管理ではなく分譲時から管理会社に管理を委託していたこと。
ついでに言うと、竣工時にはマンションの敷地となっているはずの場所が何故か隣地所有者の土地になっています。
こうなってしまっては建て替えも困難ですし、銀行からの融資も付かないため売却も困難になります。
そんなバカな…と思われるかもしれませんが、管理会社は組合のお母さんではありません。
ほったらかしてとんでもない事になる前に、1人1人が責任をもってマンションを守りましょう。
ケース③ 積立金使い込み無関係おじさん
最後に、横浜市の小規模マンションでのお話です。
そのマンションは大手デベロッパーが分譲し、そのデベロッパーの子会社の管理会社に管理を委託していましたが、「管理委託費がもったいない」という事で管理会社を解約し、自主管理に移行しました。
これが悪夢の始まり。
ある時、2階に住んでいた無権限者が区分所有者を装って理事長に就任すると、必要性がわからない工事が頻繁に行われるようになります。
その工事が本当に必要なのか、発注の手続きが正当性があるものなのか不当な行為なのか確認しようにも、管理会社がいないため相談する先もありません。
無権限者の暴走は更にエスカレートし、
「排水ポンプが壊れたのはあんたが異物を流したからだ!弁償しろ!」
と因縁をつけられ工事費用を要求された方もいました。
もはやヤクザの恐喝と変わりません。
このままではまずいという事で区分所有者が立ち上がり、何とか無権限者から管理組合の運営を取り返しましたが、その時には多額の修繕積立金が使い込まれ、大規模修繕工事の資金が足りず借り入れをして賄うことになりました。
当然、借り入れた修繕費用は残された区分所有者が返済していくことになります。
現在ではしっかりした理事会役員の方々のおかげで美観が維持され素晴らしいマンションになっていますが、支出を削減しようと安易に管理会社を変えたり、自主管理にするとこのような悲劇を招くこともある、ということも頭の片隅に置いておいてください。
ほったらかし組合でホントにあった怖い話まとめ
今回は私が経験したほったらかし組合の悲劇を3つご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
みなさんのマンションでも、ちょっと思い当たるところはありませんか?
どんなマンションでも、無関心が続くと今回ご紹介したような事態に陥る可能性は十分にあります。
「ウチは大丈夫でしょ」と思わず、積極的に管理組合の運営に関わるようにしてくださいねー!