マンションの理事会に必要な人数って、どれくらいなのか気になったことはありませんか?
「人数が多いとすぐに輪番が回ってきて困る…」
「うちのマンションは理事会役員の任期が長すぎる」
「外部に住んでいる方は理事会役員に選任できるの?」
こんなお悩みをよく聞きます。
そこで今回は、私の経験も踏まえて、
- 理事会役員の適正な人数
- 理事会役員の任期
- 外部オーナーの理事会役員選任
などについてお話ししたいと思います☆
理事会役員の適正な人数
理事会役員の適正人数は、マンションの状況により業務量が異なるため、一概に〇人が良いとは言えません。
一応、目安としてマンション標準管理規約コメント第35条関係では、
1 おおむね10~15戸につき1名選出するものとする。
2 員数の範囲は、最低3名程度、最高20名程度とし、○~○名という枠により定めることもできる。
とされています。
ただし、管理会社に業務を委託していない自主管理のマンションの理事会役員であれば、会計担当から駐車場担当、書記担当と、より多くの人数・役職が必要になるでしょう。
逆に、管理会社に管理を委託しているマンションであれば会計業務も書記(議事録素案作成)も駐車場等の管理もやってくれるため、理事会役員の負担は軽くなり、自主管理のマンションほどの人数はいらないのではないのでしょうか。
多くのマンションでは管理会社に管理を委託していると思いますので、管理会社に管理を委託している前提で、マンションの規模ごとに分けて考えてみたいと思います。
小規模~中規模マンションの理事会役員の人数

マンション標準管理規約コメントの通り、10~15戸につき1名選任すれば良いのではないかと思います。
なぜこのくらいかというと、
- 理事会の議事は理事の過半数で決するため、人数が少なすぎると実質理事長の一存で決まってしまうケースも出てくる
- 逆に役員の人数が多すぎると、特に役割が無い「手持ち無沙汰」な役員が生まれ、モチベーションが低下したり、「私1人くらいいいか…」という心理が働いて欠席する人が増える
- 10戸につき1名選任しておくと、仮に任期を1年とした場合、10年で全員が理事会役員を経験することができるため、12~15年目に実施する大規模修繕工事までに「全員が役員経験者」として議論の土台を作ることができる
これらの理由から、50戸くらいのマンションなら5名、100~200戸くらいのマンションなら10~20名くらいがちょうど良いのではないでしょうか。

ところで、総戸数20戸程度のマンションの場合、10戸に対し1名=2名だと少ないし、標準管理規約通り理事長・副理事長・会計担当理事・理事・監事と5名選任すると4年で輪番が回ってくるので人数が多すぎるのでは?という問題がしばしば起こります。
理事会役員の人数が少ないのは管理会社の怠慢だ、管理会社の思うツボだ、という論調をよく見かけますが、私は必ずしもそうだとは思いません。
何故か。それは、
「4年に1回も理事会役員やらなきゃいけないんだったら管理会社のカモになってるほうがいいわ」
って全員が本気で思ってる組合もあるからです。笑
我々プロからしたら「おいおいw」って感じですが、幸せの形は人それぞれ。
居住者同士もそれなりに仲が良くて理事長が暴走するような心配もなければ、管理規約を改定して理事長・副理事長・監事の3名体制にしてもいいんじゃないかなー、というのが私の見解。
大規模マンション(300戸超)の理事会役員の人数

最近では総戸数300戸を超えるようなメガマンションも珍しくなくなってきました。
このようなマンションでも、理事会役員の人数は最大20名程度にしておいた方が良いと思います。
理由は上述の通り、それくらいの人数にしておかないと人数が増えることによる弊害が大きくなることと、
よほど記憶力の良い人じゃない限り顔と名前が一致しなくなります。笑
私は特に人の顔と名前を覚えるのが苦手なので、10名を超えたら理事会の度に名前をお伺いすることになります←
管理会社に管理を委託しているのであれば事務的な仕事はそこまで多くならないはずですので、メガマンションの場合でも役員の人数は10名で十分ではないでしょうか。
理事会役員の任期

よくあるパターンとしては、輪番制で「1年任期」、「2年任期」もしくは「2年任期半数改選」でしょう。
全体では、「1年」が57.0%と最も多く、次いで「2年」が36.7%となっている。
引用:平成30年度マンション総合調査(89ページ)
マンション標準管理規約コメント第36条関係では、
- 役員の任期については、組合の実情に応じて1~2年で設定することとし、選任に当たっては、その就任日及び任期の期限を明確にする。
- 業務の継続性を重視すれば、役員は半数改選とするのもよい。この場合には、役員の任期は2年とする。
とあります。
あまりにも任期が長く、特定の人が留任し続けるとやはり「傍観者効果」で他の組合員の関心が薄れてしまいますし、2年任期程度で輪番を回していくのが無難じゃないかと思います。
また、一度に全員が退任してしまうと、それまで議論していたことの微妙なニュアンスがうまく引き継げず、期が変わるごとに議論の方向性があっちへ行ったりこっちへ行ったり…という事がよく起こります。
積極的に理事会役員に立候補はしないものの、選任されたらきちんと出席して意見も述べるという方が多いマンションであれば、2年任期で1年ごとに半数改選とするのが理想だと思います。
理事会役員の半数改選は本当に必要か

さて、「マンション 理事会 半数改選」で検索すると、これまた
「一年任期で全員改選は管理会社の思うツボだ!」
という論調がたくさん出てきます。
まあ確かにそうでしょうね。笑
楽したい、自分の売上だけ上げて会社から評価されればお客さんの事なんて知ったこっちゃない、という管理会社のフロントさんも確かにいます。
でもね、「だから2年任期半数改選にしよう」というのはちょっと違うんじゃないかなと思うんです。
先ほど、「積極的に理事会役員に立候補はしないものの、選任されたらきちんと出席して意見も述べるという方が多いマンションであれば」2年任期半数改選が良いというお話をしました。
何故このような条件付きになるかというと、理事会役員に選任されても3回に1~2回は欠席する、出席しても特に何も意見は言わず、他の理事会役員と管理会社のフロントさんにお任せ。
こーゆー方の場合、ぶっちゃけ1年任期でも2年任期でもあんまり関係ないですし、むしろ先述の論法だと管理会社にとってはその方に2年間留任していただいた方が都合が良いことになります。笑
2年任期半数改選が理想なのは確かですが、それは理事会役員に選任された以上はきちんと活動に取り組んでいただけることが大前提ですので、任期をどうするか以上に「どうしたら管理組合運営に興味を持つ人を増やせるか」をまず考えるべきではないでしょうか。
こちらの記事でも触れていますのでご参考までに。

賃貸住戸の外部オーナーを役員に選任すべきか

以前のマンション標準管理規約では、理事会役員について「現に居住する」区分所有者から選任するとされていましたが、現在は「現に居住する」という文言が無くなり、マンション外に住んでいる人も理事会役員に選任することができるようになっています。
しかし、「現に居住する」いう文言を外したにも関わらず、第35条関係コメントでは「それぞれのマンションの実態に応じて~居住要件を付け加えることも考えられる」とする優柔不断っぷり。
どっちやねん。笑
とりあえず、外部オーナーを選任することのメリットとデメリットを挙げてみます。
【外部オーナーを選任するメリット】
- 管理組合運営に無関心となることを防止できる
- 他のマンションに住んでいる場合、そちらの管理組合の事例が聞ける
- 輪番が回ってくるまでの期間が長くなる
【外部オーナーを選任するデメリット】
- 遠方から通うことになるため理事会参加が負担になりやすい
- 選任されても出席しない「幽霊役員」になりやすい
最後が特に問題です。
外部オーナーも役員に選任して理事会に出席してもらうのが理想ですが、私の経験上、選任しても「幽霊役員」になってしまうことがほとんどです。
個人的には、規約上は外部オーナーも選任できることにしておいて、選任しても理事会に出席しない事が最初からわかっているような場合は選任せず、別途協力金を徴収する規定を作って金銭面で協力していただく、というのが良いのではないかと思います。
役職の種類

こちらについては他の方の記事にも書かれてますし、マンション標準管理規約に記載の通りなので、あんまりお話しすることはないのですが…笑
とりあえず、マンション標準管理規約から引用します。
◆理事長
◆副理事長
◆会計担当理事
◆理事
◆監事
といった役職が定められています。
マンションの状況によって、○○担当理事といった形で役職を追加してもOKです☆
最初に申し上げた通り、役割については本当にマンション標準管理規約に記載の通りですので、そちらをご確認ください!
マンション理事会の役員についてまとめ
今回はマンション理事会役員の人数、任期等についてお話ししましたが、いかがでしたでしょうか。
理事会役員の適切な人数や任期は、そのマンションの規模や、管理組合運営への区分所有者の「温度」によっても変わってきます。
ぜひ、皆様のマンションに合った運営ができるよう、理事会や総会で話し合ってみてくださいね~!