都内とかその周辺ならどこかしら拾ってくれる管理会社があるけど地方だとそれも難しい。
現実問題として管理不全に陥った、管理会社が撤退してしまってどうにもならない管理組合の対応こそが今、地方・高経年マンションの管理に求められているんじゃないかなと思うので、今回はそのあたりのお話をしていこうか!
最近、メディアでも取り上げられている管理会社の突然の撤退。
あなたの周りでも管理会社から解約通知が届いたというマンションはありませんか?
- 管理会社から管理委託費の値上げ要求があって、拒否すれば解約と言われた
- 管理会社から来期はもう契約更新しないと通知があった
- 管理会社の要求額は払えないから自主管理にするしかない
- 自主管理をしているけど高齢化でもう限界
そんなお悩みをお持ちの方も多いはず。
そこで今回は、
- 管理会社が撤退する地方マンションの現実
- 管理会社が撤退する理由
- 地方のマンション管理事情の問題点
- 地方マンション管理の管理会社撤退、高齢化問題にどう対処するか
についてお話したいと思います。
管理会社が撤退する地方マンションの現実
冒頭でもお話した通り、マンション管理業界は10年ほど前までの「赤字でも良いからなんとか契約継続を死守してこい!」という状況が一変、解約やむなしという雰囲気はおろか、「ウチの提示額が飲めないなら解約で結構」という強気の姿勢にシフトしている管理会社が多くなっています。
以前なら「まぁ他所の管理会社が拾ってくれるし…」という感じでしたが、今は業界全体でこの姿勢にシフトしているので、既存の管理会社から見放されると非常に厳しくなります。
当然、拾ってくれる管理会社は都内近郊ならば(←ここ大事)あるのですが、大手デベロッパー系管理会社は「委託費はしっかりもらう、その代わり質の高いサービスを提供する」というスタンスをより強くしている一方、拾ってくれる管理会社は「委託費は安め、但し管理の質は保証しません」という方向性なことがほとんどなので、拾っては貰えるけどサービスの質は低下すると思った方が良いです。
委託先が大手管理会社から地場業者に変わって駐車場の契約管理もままならず本来は契約できたはずの人が順番を飛ばされて放置される、清掃も契約通りやって貰えず共用廊下がクモの巣だらけ、照明も1ヶ月近く切れたまま、というマンションも実際に見たことがあります。
管理会社が撤退する理由
首都圏のマンションだとイレギュラーな(標準管理委託契約書より管理会社に不利な)条件で契約をさせられている組合や、度を超えて異常なクレーマー(支離滅裂なクレームや要求を繰り返すおじいちゃんとか)、あとは10年ちょっと前のリプレイス戦国時代の名残で委託費が安いのに工事もいちいち文句を付けて発注しないような組合は、管理会社からすると採算が合わない、リスクが大きいと見られて解約の対象になります。いわゆる”カスハラ”的な組合が解約の対象になりやすいです。
地方の場合はどちらかというとカスハラ的な組合員がいなくても、エリア特性で小規模故にスケールメリットが効かず、管理会社としては割増しで管理委託費を貰わないとどうしても採算が合わないというケースが多く、これはもう理事会(管理組合)ではどうしようもありません。
そのあたりの事情は↓の記事でお話しているのでご一読を。
自主管理も高齢化が課題
とはいえ、管理組合は管理組合で「スケールメリットが効かない」のは同じことで、世帯数が少ないとどうしても1世帯あたりの負担は割高になります。
そのため足りない資金を組合員の労力で補うべく自主管理を選択するマンションも多いのですが、組合員の労力にも限界があって、20年前はまだ60歳でリタイアしたばかりで元気な理事ばかりだったのに、気付けば体調面の問題などで1人、また1人…とメンバーが減っていき、自主管理はもう限界…となるマンションが出始めています。
ところが、今や管理会社は値上げ・撤退ラッシュで、大幅に管理費を値上げしないと雇えないけど、高齢者ばかりでもうその決議も通らない…というジリ貧スパイラルが待っている、というのが地方高経年マンションの現実です。
ちなみに、管理委託費の相場についてはこちらの記事で解説しています。
地方の第三者管理(管理者管理)の問題点
そんな中、俄かに脚光を浴びているのが管理会社の第三者管理(管理者管理)です。
↑の記事で解説した他にも、静岡に住み始めて地方特有の問題があることに気付きました。
それは、賃貸管理会社や建築事務所が片手間に分譲マンションの管理をやっているケースがかなり多いということ。
要するに、分譲マンションの管理はほぼ素人な会社が管理をしているわけです。
首都圏だと大手デベロッパーの系列の管理会社か、もしくは分譲マンションの管理に特化した専業の独立系管理会社に管理を委託するのが普通ですが、地方に来ると専業の管理会社が少ないので、聞いたこともないような地場の賃貸管理会社や建築事務所が片手間にマンション管理を請け負っている、なんてケースがザラにあります。
私も静岡でそのような管理組合からのご相談を受けたのですが、契約書を見ても何をやっていて何をやっていないのかよくわからない(前のページで請けていないはずの業務の仕様書が何故か後ろに付いているとか)等、契約書を作ることさえままならないような状況でした。
また、分譲マンションでは実施義務がない点検業務が複数、設備管理業務に組み込まれていたりしました。
わかっていないのか、わかっていて売上のために組み込んでいたのか…まぁ法的義務が無いからやってはいけないというわけではないけれど、組合のニーズに合っているかと言うと、うーん、という感じでした。
分譲マンション管理のプロにご相談ください
そんな分譲マンション管理のノウハウがあるプレーヤーがいない、という状況を目の当たりにして、新たにひつじアソシエイトという管理会社のフロントさん=実務担当者を代行するサービスを立ち上げました。
詳細はホームページをご参照いただきたいのですが、地方特有の小規模・高経年マンションに特化したサービスです。
管理費が足りない、管理会社が撤退した(撤退しそう)、引き受けてくれる管理会社が見つからない、高齢化で理事のなり手も足りない…そんな組合様、是非一度ご検討ください。
管理会社が突然の撤退!その理由は?まとめ
今回は管理会社の撤退とその理由について、地方マンション管理の実情を踏まえてお話ししましたが、いかがでしたでしょうか。
首都圏と違い、静岡のような地方都市では分譲マンション管理のノウハウがある、専業の管理会社も少なく、撤退されると次の管理会社が見つからない、という事情があります。
管理費が足りない、管理会社が撤退してしまった、引き受けてくれる管理会社が見つからない、高齢化で理事のなり手も足りない、という組合様は、是非お問い合わせフォームからご相談ください!