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マンションの建替えの年数は?法律や反対したらどうなる?

マンション 建替え 年数
黒ひつじくん
黒ひつじくん
駅前のマンション、今年の総会で建替えを検討しようって意見が出て結構揉めたらしいね~
なかむー
なかむー
あそこって確か築50年近いよね?そろそろ建替えも考える時期なのかもね。
黒ひつじくん
黒ひつじくん
建替えを考えようって言った人は軽い気持ちで提案したみたいなんだけど、ご年配の方から猛反対受けたそうで…
なかむー
なかむー
建替えは色んな人の利害が絡むからね~

じゃあ今回は、分譲マンションの建替えについておさらいしようか!

 

築年数が経ったマンションで避けて通れない建替え。

お金がかかることに加え、長く住んだマンションだからこその思い入れや、今後のライフプランにも関わるため、合意形成には大変な労力がかかることが予想されます。

 

「マンションの建替えってどのくらいの年数で考えるものなの?」

「マンションの建替えに反対したらどうなるの?」

「マンションの建替えに関する法律があるって聞いたのだけど…」

 

そんな疑問をお持ちの方も多いかと思います。

今回は、

  • マンションの建替えの一般的な年数
  • マンションの建替えに関する法律
  • 建替えに反対した場合
  • 実際の建替えの流れ

についてお話ししたいと思います!

マンションの建替えの年数(築年数)

マンション 建替え 年数マンション(鉄筋コンクリート造の建物)の法定耐用年数は47年とされていますが、これは税制上のお話。

 

実際には60年~70年ほど年数が経過してから取り壊されるマンションもあるので、適切に修繕していけばもう少し延命できそう。

 

但しこちらの事例によると40年~50年程で建替えが行われていて、状況次第では建物自体はまだ大丈夫だけど、状況次第では建替えた方がメリットがあり、建替えを選択するマンションもあることが伺えます。

 

尚、国交省の資料によれば、令和元年時点で築年数40年超のマンションは91.8万戸(マンションストック総数の約14%)あるとされており、今後建替えラッシュに突入することは間違いない状況となっています。

マンション 建替え 年数

マンションの建替えに関する法律

マンション 建替え 年数

本来、分譲マンションは区分所有者全員の共有財産のため、処分を行うためには原則として全員の賛成が必要となります。

 

とはいえ、これではマンション全体のうち1人でも反対した場合は建替えができないことになってしまい、どんなに年数が経過しても建替えられずに街が廃墟だらけになってしまいます。

 

そこで区分所有法では、集会(総会)において区分所有者及び議決権の各五分の四以上の多数で建替え決議ができることとしました。

区分所有法第六十二条

集会においては、区分所有者及び議決権の各五分の四以上の多数で、建物を取り壊し、かつ、当該建物の敷地若しくはその一部の土地又は当該建物の敷地の全部若しくは一部を含む土地に新たに建物を建築する旨の決議(以下「建替え決議」という。)をすることができる。
2 建替え決議においては、次の事項を定めなければならない。
一 新たに建築する建物(以下この項において「再建建物」という。)の設計の概要
二 建物の取壊し及び再建建物の建築に要する費用の概算額
三 前号に規定する費用の分担に関する事項
四 再建建物の区分所有権の帰属に関する事項
3 前項第三号及び第四号の事項は、各区分所有者の衡平を害しないように定めなければならない。
4 第一項に規定する決議事項を会議の目的とする集会を招集するときは、第三十五条第一項の通知は、同項の規定にかかわらず、当該集会の会日より少なくとも二月前に発しなければならない。ただし、この期間は、規約で伸長することができる。
5 前項に規定する場合において、第三十五条第一項の通知をするときは、同条第五項に規定する議案の要領のほか、次の事項をも通知しなければならない。
一 建替えを必要とする理由
二 建物の建替えをしないとした場合における当該建物の効用の維持又は回復(建物が通常有すべき効用の確保を含む。)をするのに要する費用の額及びその内訳
三 建物の修繕に関する計画が定められているときは、当該計画の内容
四 建物につき修繕積立金として積み立てられている金額
6 第四項の集会を招集した者は、当該集会の会日より少なくとも一月前までに、当該招集の際に通知すべき事項について区分所有者に対し説明を行うための説明会を開催しなければならない。
7 第三十五条第一項から第四項まで及び第三十六条の規定は、前項の説明会の開催について準用する。この場合において、第三十五条第一項ただし書中「伸縮する」とあるのは、「伸長する」と読み替えるものとする。
8 前条第六項の規定は、建替え決議をした集会の議事録について準用する。

上記規定は「建替え」しか想定されていませんでしたが、現在はマンションの建替え等の円滑化に関する法律が制定され、マンション敷地売却決議も可能になりました。

マンションの建替え等の円滑化に関する法律第百八条

第百二条第一項の認定を受けた場合において、要除却認定マンションに係る敷地利用権が数人で有する所有権又は借地権であるときは、区分所有者集会において、区分所有者、議決権及び当該敷地利用権の持分の価格の各五分の四以上の多数で、当該要除却認定マンション及びその敷地(当該敷地利用権が借地権であるときは、その借地権)を売却する旨の決議(以下「マンション敷地売却決議」という。)をすることができる。
2 マンション敷地売却決議においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 買受人(第百二十条第一項の規定により組合(第百十六条に規定する組合をいう。以下この号において同じ。)が設立された場合にあっては、組合から要除却認定マンションを買い受ける者)となるべき者の氏名又は名称
二 売却による代金の見込額
三 売却によって各区分所有者が取得することができる金銭(以下「分配金」という。)の額の算定方法に関する事項
3 前項第一号に掲げる者は、次条第一項の認定を受けた者でなければならない。
4 第二項第三号に掲げる事項は、各区分所有者の衡平を害しないように定めなければならない。
5 第一項に規定する決議事項を会議の目的とする区分所有者集会を招集するときは、区分所有法第三十五条第一項の通知は、同項の規定にかかわらず、当該区分所有者集会の会日より少なくとも二月前に発しなければならない。
6 前項に規定する場合において、区分所有法第三十五条第一項の通知をするときは、前条に規定する議案の要領のほか、次に掲げる事項をも通知しなければならない。
一 売却を必要とする理由
二 建築物の耐震改修の促進に関する法律第二条第二項に規定する耐震改修(次号において単に「耐震改修」という。)又はマンションの建替えをしない理由
三 耐震改修に要する費用の概算額
7 第五項の区分所有者集会を招集した者は、当該区分所有者集会の会日より少なくとも一月前までに、当該招集の際に通知すべき事項について区分所有者に対し説明を行うための説明会を開催しなければならない。
8 区分所有法第三十五条第一項から第四項まで及び第三十六条の規定は、前項の説明会の開催について準用する。この場合において、区分所有法第三十五条第一項ただし書中「伸縮する」とあるのは、「伸長する」と読み替えるものとする。
9 マンション敷地売却決議をした区分所有者集会の議事録には、その決議についての各区分所有者の賛否をも記載し、又は記録しなければならない。
10 区分所有法第六十三条及び第六十四条の規定は、マンション敷地売却決議があった場合について準用する。この場合において、区分所有法第六十三条第一項中「建替えに」とあるのは「マンションの建替え等の円滑化に関する法律(以下「円滑化法」という。)第二条第一項第八号に規定するマンション敷地売却(以下単に「マンション敷地売却」という。)に」と、同条第三項から第五項まで及び区分所有法第六十四条中「建替えに」とあるのは「マンション敷地売却に」と、区分所有法第六十三条第六項中「建物の取壊しの工事に着手しない」とあるのは「円滑化法第百八条第一項に規定するマンション敷地売却決議に基づく売買契約によるマンション(円滑化法第二条第一項第一号に規定するマンションをいう。以下同じ。)及びその敷地(マンションの敷地利用権が円滑化法第二条第一項第十七号に規定する借地権(以下単に「借地権」という。)であるときは、その借地権。以下同じ。)についての権利の移転(円滑化法第百二十条第一項の規定により組合(円滑化法第百十六条に規定する組合をいう。以下同じ。)が設立された場合にあつては、円滑化法第百四十九条の規定による売却マンション(円滑化法第二条第一項第十号に規定する売却マンションをいう。)及びその敷地の組合への帰属。以下「権利の移転等」という。)がない」と、同項ただし書中「建物の取壊しの工事に着手しなかつた」とあるのは「権利の移転等がなかつた」と、同条第七項中「建物の取壊しの工事の着手」とあるのは「権利の移転等」と、「その着手をしないとき」とあるのは「権利の移転等がないとき」と、区分所有法第六十四条中「建替えを」とあるのは「マンション敷地売却を」と読み替えるものとする。
黒ひつじくん
黒ひつじくん
で、この「マンションの建替え等の円滑化に関する法律」、読めばわかりますが非常に複雑で長い。実務で扱う際は弁護士さんへの依頼が必須です。

ひとまず「五分の四以上の総会決議で建替えもしくは敷地売却ができるんだな」という点だけ押さえておけば良いと思います。

建替えに反対したらどうなる?

マンション 建替え 年数

マンションの建替え決議に反対した場合はどうなるのか?

 

簡単に言うと、

  1. 意見を変えて建替えに参加する
  2. 断固反対なら組合からの売渡請求により、区分所有権を売り渡す(出ていく)

この二択です。

②の売渡請求は拒否できません。

区分所有法第六十三条

建替え決議があつたときは、集会を招集した者は、遅滞なく、建替え決議に賛成しなかつた区分所有者(その承継人を含む。)に対し、建替え決議の内容により建替えに参加するか否かを回答すべき旨を書面で催告しなければならない。
2 前項に規定する区分所有者は、同項の規定による催告を受けた日から二月以内に回答しなければならない。
3 前項の期間内に回答しなかつた第一項に規定する区分所有者は、建替えに参加しない旨を回答したものとみなす。
4 第二項の期間が経過したときは、建替え決議に賛成した各区分所有者若しくは建替え決議の内容により建替えに参加する旨を回答した各区分所有者(これらの者の承継人を含む。)又はこれらの者の全員の合意により区分所有権及び敷地利用権を買い受けることができる者として指定された者(以下「買受指定者」という。)は、同項の期間の満了の日から二月以内に、建替えに参加しない旨を回答した区分所有者(その承継人を含む。)に対し、区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すべきことを請求することができる。建替え決議があつた後にこの区分所有者から敷地利用権のみを取得した者(その承継人を含む。)の敷地利用権についても、同様とする。
5 前項の規定による請求があつた場合において、建替えに参加しない旨を回答した区分所有者が建物の明渡しによりその生活上著しい困難を生ずるおそれがあり、かつ、建替え決議の遂行に甚だしい影響を及ぼさないものと認めるべき顕著な事由があるときは、裁判所は、その者の請求により、代金の支払又は提供の日から一年を超えない範囲内において、建物の明渡しにつき相当の期限を許与することができる。
6 建替え決議の日から二年以内に建物の取壊しの工事に着手しない場合には、第四項の規定により区分所有権又は敷地利用権を売り渡した者は、この期間の満了の日から六月以内に、買主が支払つた代金に相当する金銭をその区分所有権又は敷地利用権を現在有する者に提供して、これらの権利を売り渡すべきことを請求することができる。ただし、建物の取壊しの工事に着手しなかつたことにつき正当な理由があるときは、この限りでない。
7 前項本文の規定は、同項ただし書に規定する場合において、建物の取壊しの工事の着手を妨げる理由がなくなつた日から六月以内にその着手をしないときに準用する。この場合において、同項本文中「この期間の満了の日から六月以内に」とあるのは、「建物の取壊しの工事の着手を妨げる理由がなくなつたことを知つた日から六月又はその理由がなくなつた日から二年のいずれか早い時期までに」と読み替えるものとする。

マンション(特に築年数が経過した中古マンション)を購入する際は、こういった出口の事も頭の片隅に置いておいた方が良いと思います。

マンション建替えの流れ

マンション 建替え 年数

ここまでがマンション建替えに関する法律上のお話(ものすごーくアッサリでほとんど解説してないけどw)。

 

実際には、

  • 組合内での合意形成(全体の80%以上は賛成派で固めなければならない)
  • 事業協力者(マンションデベロッパーやゼネコン)を探す
  • 事業協力者との折衝ができる弁護士を探す

といった作業が必要になります。

 

事業協力者は経験豊富ですからそこまでたどり着けば後は何とかしてくれると思いますが、問題はそこに至るまでの合意形成。

 

本当に建替えは必要なのか?

延命を図ることはできないのか?

反対者の理解を得るにはどうしたら良いのか?

 

こういった問題を管理組合だけで解決するのは非常に難しいと思います。

そして手前味噌になりますが、私はこういった組合内部のファシリテーション(合意形成サポート)が得意です。

 

私のチームには経験豊富な1級建築施工管理技士や一級建築士もいますので、建替えるべきか、延命を図るべきか等、そのマンションにとって最善の選択となるよう、合意形成までのソリューションサポートが可能です。

 

もし今、建替えか延命かの岐路に立たされたマンションの役員をされていて、何から手を付けて良いかわからない…という方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度ご相談ください。

マンション建替えの年数まとめ

今回はマンションの建替えの年数や法律、建替えに反対したらどうなるかについてお話ししました。

 

どんなマンションでも、年数が経過すれば建替えや取壊しは避けて通れません。

 

今、正に建替えか延命かの岐路に立っていて、どうしても行き詰ったり、どうしたら良いかわからないという組合さんがいらっしゃいましたら、是非ご相談ください。

 

可能な限りサポートしたいと思います。