理事会で1番大事なのは、支持率の確保、政治的な安定性なんだから、
この手のネタは本当は顧問の管理士業の人が書くべき。
なのに言うに事欠いて
管理費は削減できる!とか
それ委託経費やろ
脳みそ膿んでるんでないのかとか… https://t.co/PdWO0mqGtB— はるぶーは㍇ヲタクで会うと凄くいい人です (@haruboo0) August 7, 2020
ネットでマンション管理について検索していて、
「管理費は削減できます!」
「あなたのマンションの管理会社、大丈夫?」
「管理会社見直し・管理費削減コンサルティング!」
こういった記事を目にしたことがある方も多いはず。
毎月支払っている「管理費」が安くなるなら良いことのように聞こえますが、これ、何が問題かわかりますか?
「え、削減できるなら見直してもらった方がいいんじゃないの?」
「家計も苦しいし削減できるならそうしてほしい…」
「管理費削減しないと理事会は何もやってないとか言われるし…」
そんな疑問をお持ちの方も多いはず。
そこで今回は、
- マンション管理費見直し・削減コンサルとは
- マンション管理費見直し・削減コンサルの問題点
- 目指すべきは管理組合運営適正化
についてお話ししたいと思います!
…私も割と脳みそ溶けてるとか言われるタイプなので、ホンネでバシバシ書いちゃうぞー💕
予め申し上げておきますが、この記事も多分にポジショントークです。
焼畑削減コンサルにも単純に支出が削減できるというメリットはあります。
特に「管理会社と仲良くだぁ?笑わせるな!組合運営は我が理事会で十分じゃボケ!」という向きの組合ならアリだと思います。
私の主義主張とは相容れない流派だというだけですので、その辺ご理解の上お読みいただけますと幸いです。
マンション管理費見直し・削減コンサルって何?
まず最初に、マンション管理費見直し・削減コンサルとは何か?から。
簡単に言うと、管理会社の見直し・変更、管理委託契約の仕様変更によって「管理委託費」の削減を提案するコンサルティング会社の事を言います。
まぁ管理委託費削減しようと思ったら人を減らすか勤務時間を減らす、もしくは安かろう悪かろうの業者に変えるしかありませんから、管理仕様は焼け野原と化します。
あ、私の好きなCocco様の「焼け野が原」のリンク貼っときます。本文とは何ら関係ありません。好きです。↓↓
結論から言ってしまうと、クビ絞めるからやめときな、です。
例えば投資用ワンルームであればその商品の性質上利回りが最重要ですから、コストカットは正義だと思います。
そういったマンションのコストカットをご希望の方はお問い合わせフォ…パァン!パァン!!(銃声)
見直し・削減なんてサルでもできる
ハッキリ言いますが管理費見直し・削減コンサルなんてサルでもできます。ドドリアさん!コン猿ですよ!コン猿!
あんなの独立系の安い管理会社連れてきて見積出させりゃいいだけですから。
仕様変更にはプロのアドバイスが…とか謳ってますがそんなもん管理会社のリプレイス部隊がやってくれますよ、タダで。
なんでここまで言い切れるかというと、ぶっちゃけ私がマンション管理士資格を取ろうと思った理由がこのマンション管理費見直し・削減コンサルだからです。
こんなんでコンサル費取れるとかめちゃくちゃチョロい商売やん、俺もやったろーとか思ってましたからね、管理会社時代に。
まぁ私が路線変更した経緯はTwitterとかYouTubeとかでそのうち話すとして、プロから見たらとても低レベルな仕事で、そんなのにウン十万もウン百万も払うんですか?という感じ…
管理費見直し・削減コンサルの問題点
そんな管理費見直し・削減コン猿ですが、根拠を示さないとただの誹謗中傷になっちゃいますから、管理会社出身のマンション管理士の私が、彼らの何がマズいのか解説します。
つーか、個人的には仕事上付き合う相手(管理会社)を悪に仕立て上げてケンカし続けるって結構神経すり減らすと思うんですが、社員のメンタルヘルスは大丈夫なんですかね…って余計なお世話か。
「管理費」削減したらマズくない?
もうね、この時点で情弱ビジネス臭を嗅ぎ取らないとダメですよ?
プロだったら用語くらい正しく使いましょうよ。
「管理費」は管理組合の「収入」でしょ。
どこの世界に自ら収入削るアホな政府がいるんですか?
彼らが削減するのは「管理委託費」です。
彼らだって曲がりなりにも業界の人間ですから、知らないわけ無いんですよ。
「管理費」と「管理委託費」の区別が付かない素人を引っ掛けて儲けようという意図がミエミエ。
商売としては養分から搾取するのは基本かもしれませんが、プロのお仕事としてはどうなんでしょうね。
「管理費削減」の一言で管理会社は機能停止
でもやっぱり削減できるなら見直しして貰った方が…と思ったあなた。
あなたは何故「管理費(正しくは管理委託費)削減」したいんですか?
来るべき修繕積立金値上げに向けて少しでも支出を削りたいから?
安けりゃ何でも良いという貧困な思想の持主だから?だったら何でマンション買うんですか?
一言でいうと、「ラクしたいから」だと思うんですよね。
毎月の支払が少なければ自分ちの家計はラクになる。
安くなれば大衆の支持が得やすくて総会がラクになる。
ただね。
「管理費(管理委託費)削減」
このワードが出た瞬間に、ラクするために雇ってる管理会社が機能停止します。
管理会社はひたすら守りに入ります。
管理委託契約書、ちゃんと読んだことありますか?
フロントさんの多くは、契約書に書かれていないことも善意でやってくれていたり、提案してくれていたりします。
そういったサポートはほぼ冷温停止しますよ?
でも文句は言えません。だって、契約書に書かれていないんだもん。
相手は人間ですよ?
あなたは自分を評価しない人のために仕事をしますか?
【管理費見直し・削減業務】で得をするのは誰か。
冷静に、よーく考えてください。
「削減と増税はセット」が刷り込まれる
以前、修繕積立金は絶対に適正化せねばならないというお話をしました。
管理会社でもやりがち(正直私もやってました)ですが、修繕積立金を適正化する際、お約束のように聞こえてくるのが「支出削減が先だ!」という貴重なご意見。耳にタコができる
まぁお気持ちはわかるんですが、管理組合視点の会計で考えると、管理費会計と修繕積立金会計は別物なので、ごっちゃにしちゃいけないんですよ。
ところが、管理費見直し・削減コンサルを入れると支出削減が強調されるので、組合員に「支出削減と増税はセット」というのが強烈に刷り込まれるんですよ。
これは以前YouTubeでも話しました。本題は2:20あたりから↓↓
焼畑系管理費見直し・削減コンサルに削減なしで増税を通すノウハウがあるかというと…私は無いと思います。
見直し・削減しても採算合わなきゃ切られる
そして、最近俄かに問題になりつつあるのがこれ。
管理会社を変更して、見直し・削減コンサルにコンサル料を支払った僅か1~2年後に管理会社から委託費増額要求があったりします。
ここでコンサルに泣きついても時すでに遅し。
だって、未来永劫その管理委託費でやってもらうなんて契約書のどこにも書いてませんから。
一昔前なら管理会社は管理戸数を競い合っていたので、組合が解約をチラつかせれば「ははぁー!!」とすぐに減額に応じてきました。
ところが、数年前に大手の住友不動産建物サービスさんが大きく舵を切り、採算が合わないマンションは容赦なく解約予告通知を送ってぶった切り始めました。
管理会社だってビジネスなんだから、これはよく考えたら当然っちゃ当然。逆に今までが異常だったと見るべき。
その後他社も住友に続けで、いまや流れは完全に増額要求ラッシュ。
そういう点で、管理費見直し・削減コンサルは時代遅れのビジネスです。
同じ穴のムジナじゃない?
管理費見直し・削減コンサルの常套句の1つに、「管理会社はバックマージン(リベート)を抜いている!」というのがあります。
はーい、みなさん。
ここ、盛大に爆笑するところですよー?
あなたたちだって管理会社からカネ貰ってるでしょうwww
いや、全部のマンション管理費見直し・削減コンサルがそうとは言いませんが。
貰ってるとこ結構ありますよね。
何で断言できるのかって?
だって、私がいた管理会社も管理費見直し・削減コンサルやマンション管理士にカネ払ってましたもん。
中の人として断言しますよ。
そのカネ支払う稟議書上げたことありますから。
利益相反だよね?
↑のとおり、多くの管理費見直し・削減コンサルは管理会社からもカネ貰ってるわけですよ。
コンサルが双方からカネ貰って大丈夫??
利益相反ですよね??
誰のために仕事するの???
これ以上は言いません。
マトモな社会人ならわかるでしょう。
目指すべきは組合運営の適正化
とまぁここまで管理費見直し・削減コンサルをバッキバキにdisりまくってきましたが。
じゃああんたは何ができるの?と言われたら。
そうですねぇ。
管理でマンションを良くしたい、マンションを守りたいと愚直に孤軍奮闘している理事長を支える人柱くらいにはなれます。
カネにはならんけど、そっちの方が【価値】があると思ってますよ。【価格】ではなく、ね。
「助けて!」って連絡いただければ飛んでいきます。ご相談はお気軽に。
マンション管理費見直し・削減コンサルの愚まとめ
今回は、マンション管理費見直し・削減コンサルについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
マンションの区分所有者にとって、管理費見直し・削減って耳触りが良いんですよ。
でも、その耳触りの良さに惑わされないでほしいんです。
マンション管理士って、本来そういう仕事じゃないでしょ。
自分自身への自戒と、マンション管理業界への愛をこめて。
このオチ2回目でした。すみません。