理事会で1番大事なのは、支持率の確保、政治的な安定性なんだから、
この手のネタは本当は顧問の管理士業の人が書くべき。
なのに言うに事欠いて
管理費は削減できる!とか
それ委託経費やろ
脳みそ膿んでるんでないのかとか… https://t.co/PdWO0mqGtB— はるぶーは㍇ヲタクで会うと凄くいい人です (@haruboo0) August 7, 2020
毎年開催されるマンションの総会。
なかなかスムーズに進行しなくて、
「これでいいのかな…他のマンション管理組合もこうなの?」
「何度も質問して総会の議事進行を止める人がいて勘弁してほしい…」
「毎年、この管理組合は違反だなんだと追及されて胃が痛い…」
という理事長さんも多いはず。
そこで今回は、
- マンション総会のルールの再確認
- 総会議事進行の鉄則
- 反対者への対処実践編
についてお話ししたいと思います!!
総会議事進行の前に…
まずはルール確認。
実際に総会出席者相手にルールを振りかざしてぶった切るなんてことはそうそうありませんが(絶対無いとは言ってない)
余計な事でイライラしたり時間を食ったりしないよう、自分を守るために前提の確認をしておきましょう。
総会はサクサク進めて2時間以内に終わらせることを目指しましょう。
ヒマな人ばかりではないですし、退屈しちゃいますからね。
①反対者を折伏する必要はない

よく管理原理主義過激派のみなさまは呪文のように
「キチョウナゴイケンアリガトウゴザイマス」
とか唱えていらっしゃいますが。
これはどういうことかというと、反対者を折伏する必要は無いということです。
何故か。
マンション標準管理規約第47条(総会の会議及び議事)
総会の会議は、前条第1項に定める議決権総数の半数以上を有する組合員が出席しなければならない。
2 総会の議事は、出席組合員の議決権の過半数で決する。
3 次の各号に掲げる事項に関する総会の議事は、前項にかかわらず、組合員総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上で決する。(以下略)
標準管理規約上、総会の議事は一部の議案を除き「出席組合員の議決権の過半数」で可決されます。
例えば、100戸のマンションで、1住戸1議決権・総議決権数が100だとすると、50人出席・26人賛成すればその議案は可決ということです。
80人出席でも41人賛成なら可決。
だから、反対者を折伏する理由も必要性も皆無です。
数人の反対者をわざわざ説得せずとも他の人たちに賛成してもらえばそれで良いのですから、「いいやあなたは間違っている」とか応戦するのは時間の無駄どころか、他の出席者の心証を悪くする恐れもあり危険です。
仮に上記の100戸のマンションなら、委任状と議決権行使書での賛成を75戸(自分を除けば74戸)から集めてしまえば、たとえ特別多数決議であっても反対者が総会当日いくら反対しようがひっくり返すことは不可能です。
②質問は全部答えなくても良い

大手管理会社の合人社先生も仰っていますが、理事会は全ての質問に答えなければならないわけではありません。
総会で質問してくる方の中には少々クセ強めの小生さんみたいな方もチラホラいて、自分が納得できないと
「違反だ!!」
などと何に違反しているのかはわかりませんがダダを捏ね始める方も。
もちろん答えられる範囲のこと(例えば、手元の理事会議事録や決算報告書を見てすぐわかることや、理事会での話し合いの経緯等)はできる限り答えるべきですが、度を超えて食い下がってくるようであれば、
「申し訳ございません、資料を見ればお答えできるのですが、今は手元になく、時間も限られておりますので総会終了後に少しお時間いただけますか?」
などとにこやかに返答して終わらせましょう。
経験豊富でそのあたりの勘所をわかっているフロントさんがフォローしてくれることもありますが、そうでなければ管理士使ってほしいなぁ…とか。え?営業です、はい。まごうことなき営業です。
経験豊富なフロントさんほどこの「総会終了後に確認します」を多用したりします。
理由は簡単で、総会終了後に話したことは議事録に書かなくて良いからです。
総会内で長々話されると議事録書く時に手間が増えますし、いらん言質を取られたりするので…ま、脱線しましたが裏話です。
③決議内容の変更はNG

これも基本中の基本ですが、質疑応答で「ここちょっと変更しませんか?」とか意見が出ても変更はできません。
配付された議案書を読んで、すでに委任状・議決権行使書を出している人もいるため、変更してしまうとその人たちの扱いどうするの?という話になってしまいます。
同じ理由で「反対多いので取り下げます」もダメ。
議場で反対が多かったとしても、委任状・議決権行使書で過半数集まっていたら「可決」です。
勝手な解釈やマイルールを持ち込まず、ルールどおりの運用をしましょう!
…で、次の理事会で「変更しなくて良いよね」と理事会決議を取って議事録に書いとけばそれでおしまい。
総会ではとにかくケンカしないで話を終わらせることが最重要です。
総会議事進行の鉄則①極力喋らない

というわけで、基本をおさらいしたところで本題。
大筋ははるぶー先生の仰るとおりというか同意見なのでこっち読んでもらえれば…w
まず1つ目の鉄則としては、理事会はなるべく喋らないこと。
理由は、喋れば喋るほど
- 時間が掛かる
- 揚げ足取られるリスクが増す
からです。
ここ数年の菅官房長官とか見ればわかりますが、黙っていれば質問は答える側が強いんです。
あそこまで露骨にやる必要はありませんが、極力相手に喋らせて、理事会側は「聞かれたことに答える」という意識を持ちましょう。
議案説明も、議案書を読み上げることはせず、要点だけ言って「事前にお配りした議案書のとおりですので、この場での読み上げは割愛します。ご質問等ございましたらお願いいたします」で終わらせてOK。
収支決算報告なんかも、管理費・修繕積立金(その他会計があればそれも)について、単年度でいくら黒字なのか赤字なのか、その金額が大きい場合にはその原因を端的に話しておしまいにするのがコツ。
サクサク進行しましょう!
↑の話を聞いて「あれ、ウチのフロントさんも議案説明で決算書とか読み上げてるけどな…」と思った方もいるのではないでしょうか。
あれはお客さん向けのパフォーマンスです。
無関心層が多い組合ほど管理会社との関係性が希薄でちょっとしたことで「管理会社は何にもしてない」みたいな雰囲気になりがち(実際にはそんなわけ無いんだけど)なので、イメージだけで物事を判断されてしまう大衆向けのアピールという意味合いが強いです。
総会議事進行の鉄則②反対者への対応

さあ来ました!ご唱和ください!!キチョウナゴイケン…という冗談はさておき。
まず、総会での質問は悪意のない、単純な興味で訊いてくる方が大半です。
こういった方々に丁寧に回答すると理事会の支持率アップや、人によっては理事になってくれたりしますので、理事会にとってチャンスと捉えて要点をきちんと回答しましょう。
が、中には周りから見たら「お?」という少々ズレた質問を繰り返したり、何でもかんでも全部反対してくる人もいたりします。
こういった反対者の対応は、ハッキリ言って
- 褒めておだててなだめすかす
- 再起不能になるまで叩き潰す
の二択です。中途半端はダメ、ゼッタイ。
後者の場合は理論武装でお前が言っていることはちゃんちゃらおかしいと吊るし上げるか、「え…私たち、そんな変ですかね…何でそんなに非難されるんですかね…ぴえん」と他の出席者の同情を買って【善良な組合員vsキ〇ガイ1人】の構図を作って孤立させるか…
等の方法がありますがこれを言うとまた黒いとかなんとかTwitterで誹謗中傷されるのと、結構な知識・経験の裏付けが無いと難しいので、基本は【褒めておだててなだめすかす】路線で処理していきましょう。
とにもかくにも善良な組合員【白いひつじさん達】を味方に付けるように立ち回るのは結構大切なので心の片隅に置いときましょう。
以下、個別の事例を挙げての実践編です!
連続質問・長時間の質問

よくあるパターンですが、総会って質問する人は限られていて、その同じ人たちが何度も質問してたりします。
要するに、ヒマな目立ちたがり屋が多いです(それが悪いとは思いませんが)。
だったら、池上さんのように「良い質問ですね~(ニッコリ)」というノリで目立ちたがり屋の心をくすぐって満足させたりましょう。
こうすれば目立ちたがり屋さんも満足、他の善良な出席者の心証を損ねるリスクも低い。
で、端的に回答してそれでも食い下がられたら「すみません、ちょっと今すぐ回答できなくて、時間も限りがあるのでよかったら総会終了後にお時間を…」で次に行きましょう。
最初の返しで満足させてあげられていれば結構すんなり引き上げてくれるものです。
みんなで仲良く穏便に行きましょう。
また、質問が長くて何が言いたいのかよくわからない人もよくいますが、その場合は頃合いを見て
「申し訳ございません、ご質問の趣旨がよくわからないのですが…要点を絞っていただけますでしょうか」
「それはご質問ではなくご意見ということでよろしいですか?はい、ご意見確かに拝聴いたしました。ありがとうございます」
「ご趣旨がわかりかねます…時間にも限りがありますので、恐縮ですが総会終了後にお時間いただけますか?」
これらのコンビネーションで強制シャットダウン。
ほっとくと無限に時間がかかりますし、他の出席者がうんざりして次から来なくなっちゃいますから…
理事会議事録・議案書に書いてある質問

これも結構やっちゃってる理事長さんが多いのですが。
ムッとして「議事録に書いたでしょ?」とケンカ腰で返しちゃうパターン。
はい、やっちゃったことある理事長さん。
胸に手を当てて反省してください。笑
お気持ちはわかりますが「書いてあるだろ」とかぶった切ると険悪になりますし、周りの白いひつじさん達がドン引きしちゃいますから、グッとこらえて簡潔に結論だけ一言二言でまとめて「詳細については〇〇に記載がありますので、恐れ入りますがご一読をお願いいたします。ご不明な点がありましたら総会終了後にお聞きしますので…」とやんわり。
いいですか?【やんわり】ですよ?
議案と関係のない質問

これはもうお約束ですが、「申し訳ございません、時間も限られていますので、議案に直結しないご質問は総会終了後にお答えさせてください」ですね。
ここまで読んでお気づきの方もいらっしゃると思いますが、方向性としては一貫して総会の中で対応しない、総会の外で捌く、です。
的を射た質問ならきちんとその場で対応すべきですが、的外れな質問でダラダラ進まないのは他の出席者からするとフラストレーションが溜まります。
ケンカ腰にはならないよう注意しながら適度に総会外に流していきましょう。
質問ではない意見の開陳

それでは皆様ご唱和ください!「キチョウナゴイケンアリガトウゴザイマス!!」
…え?ダメ?w
まぁ、あらかた開陳し終わったところでやんわり
「えーと、それはご質問ではなくご意見ということですかね…?はい、ご意見として、確かに拝聴いたしました。ありがとうございます!…その他、ご質問はございますでしょうか?(議場に呼び掛ける)」
こうすると角が立たなくてよろしいかと。
で、開陳があまりにも長いようでしたら頃合いを見計らって↑のコメントぶち込んで終わらせましょう。
善良な参加者【白いひつじさん達】の心証を悪くしないようにするのが理事会の支持率確保のコツです。
長い開陳を途中で止めようとすると、時々逆上する人もいます。
そんな時に理事会側ではなく出席者側から「まぁ、総会の後でお話しすればいいじゃないですか」と言う声が掛かると、なかなかそこから粘れる強メンタルをお持ちの方はいません。
引き出しの1つとしてお納めください。
総会議事進行の鉄則③自分でやることに固執しない

相手は人間、議案書も質疑応答も書き方・言い方一つで反応は全く違います。
理想は、
- 理事長以外の理事で
- 組合運営に積極的で
- 人当たりが良く
- 明朗快活に説明できる人
が議事進行や議案説明をするのが良いのですが…
そんなミラクルな人材はそう簡単には発掘できません。
どうしてもいなければ私が行きますので呼んでください(↗プロモーション)
私、プロフィールにも書いてますが、管理会社時代はメンドクサイ理事長やクレーマーのいるブラックリスト管理組合ばかり担当してました。
他のフロントが炎上させるとお上から「頼む、火消してきて!」とかで出動して消火活動。
で、多くの暴君理事長やクレーマー(と言われる人)達とお会いしましたが、ぶっちゃけ私からするとそのほとんどが
前任者のフロントが勝手に放火しただけでしょ?
としか思いませんでした。
はい、わかってます。こういうこというから嫌われるんです。今流行りの自粛します。
まぁ何が言いたいかと言うと、言い方や立ち回り一つで簡単に解決できることも多いので、苦手な人が無理するより得意な人に任せればいいんじゃないすか?ということです。
百聞は一見に如かず。見て真似した方が身につくのは早い。
もう限界や…となる前に、ご相談ください🍺
マンション管理組合の総会議事進行まとめ
今回は、マンション管理組合の総会議事進行についてお話ししましたが、いかがでしたでしょうか。
私も初めてこの業界に入ったころは3時間も4時間も理事会総会をやったりしていましたが、コツがつかめればサクサク議事進行できるようになります。
相手は人間なので、このコツをつかむまでが大変なのですが…
いろいろ試してみて、それでも「もうしんどいわ…」という理事長さんは是非ご相談ください。